看護師の異動はストレスになりやすい?つらいときの対処法&良いスタートの切り方

看護師 異動 ストレス

「看護師の異動って本当に必要なの?」

「新しい環境に馴染めるか不安…」

このような疑問や不安を抱える方もいるのではないでしょうか?

この記事では、看護師が異動にストレスを感じる理由や良いスタートを切るためのポイントをご紹介します。

どうしても辛いときの対処法も解説していますので、異動でお悩みの看護師さんは、ぜひ参考にしてください。

看護師が部署異動にストレスを感じる理由

病院に勤める看護師は、数年おきに部署異動をするのが一般的です。

異動は多くの経験を積める反面、新しい環境への適応や人間関係の変化業務内容の違いがストレスになることも。

ここでは、「看護師が異動にストレスを感じる理由」を詳しく解説します。

新しく人間関係を構築する必要がある

異動をすると、新しい部署の上司や同僚とイチから関係を築く必要があります。

既存の人間関係の中に入るのは簡単ではなく、多くの看護師が「うまく馴染めるか不安」と感じるでしょう。

また、異動したばかりの頃は「気軽に相談できる相手」もおらず、孤独を感じやすい点もストレスの原因の1つです。

業務内容が変化する

看護師に求められる役割や業務内容は、部署や診療科によって大きく変化することが多いです。

例えば、病棟から外来に異動すると、「救急隊からの電話対応」や「予約管理」など、病棟では経験しない業務が発生します。

また、訪問看護ステーションや訪問診療科では「患者宅までの運転」や「医師へのアポ取り」など、他で活かしづらいスキルが求められることも。

このような、初めての業務や他で活用しづらい業務は特にストレスにつながりやすいと言えます。

過去の経験が活かせないとモチベーションが低下する

看護師に求められる疾患・治療・検査の知識や技術は、診療科ごとに大きく異なります。

実際、診療科が変わると患者さんの疾患も全く別物になるため、異動前に習得したスキルや知識が十分に活かせない場面も多いです。

「これまでの努力が無駄になった」「勉強してきた意味がなくなった」と感じ、モチベーションが低下することもあります。

キャリアプランが崩れる

認定看護師や専門看護師などの資格を目指す場合、「特定の領域」で「一定期間以上の臨床経験」が求められることが多いです。

しかし、異動によって希望する診療科を離れると、資格取得に必要な条件を満たせなくなり、キャリア計画が大きく狂ってしまう可能性があります。

このように、異動が原因で積み重ねてきた経験が無駄になり、キャリアプランが崩れることに強いストレスを感じる人もいるでしょう。

看護師が部署異動をする理由

看護師の異動には大きなストレスが伴い、退職を考える人もいるほどです。

このような背景があるにもかかわらず、病院がスタッフを異動させるのはなぜでしょうか?

ここでは、「看護師が部署異動をする理由」について詳しく説明します。

職場の人員配置を調整するため

最近は男性看護師も増えてきましたが、まだまだ看護師は女性の方が圧倒的に多い職業です。

そのため「妊娠・出産に伴う産休や育休」や、「子育てのための時短勤務」を取得する職員が多い傾向があります。

このような背景から、看護現場は人手不足になる部署が発生しやすく、人員補充のために定期的に異動が必要になるのです。

幅広い分野で経験を積ませるため

スタッフに多彩な業務を経験してもらうことで、「新たなスキルや技術」を習得させることを目的に異動を計画する場合もあります。

このような目的で異動をする理由は、特定の部署や診療科に長く勤務していると、習得できる知識や技術が偏ってしまいがちだからです。

このような問題を防ぐため、病院側は計画的に異動を実施し、看護師が幅広い分野で経験を積めるよう配慮しているのです。

組織内の定期的な人事ローテーションのため

同じ環境で長く勤務していると、「業務のルーチン化」「職場全体のマンネリ化」が進みやすくなります。

メンバーが固定されていると新しい視点が生まれず、看護ケアの質が向上しにくい場合もあるでしょう。

そこで、病院は定期的な人事ローテーションを実施して、組織全体の活性化やマンネリの解消を図っているのです。

さらに、スタッフ間で知識や技術を共有しやすい環境を作り病院全体の看護の質を向上させる狙いもあります。

看護師が部署異動をするメリット

部署異動はストレスを感じやすいため、デメリットばかりに目が行きがち。

しかし、スキルの習得や人間関係のリセットなど部署異動ならではのメリットも存在します。

ここでは、「看護師が部署異動をするメリット」を4つご紹介します。

幅広い知識やスキルが身につく

異動の大きなメリットは、どの部署でも即戦力として活躍できる「ジェネラリスト」としての力が身につくことです。

さまざまな診療科を経験すると、疾患や治療に関する知識が多くなり、対応できる看護ケアの幅も広がります。

どの分野でも柔軟に働ける看護師は、急な人員不足の際に頼りになる存在で、現場によっては認定・専門看護師以上に求められる場合も。

また、幅広い分野での経験があると、「管理職」や「看護教員」などを目指す際にも有利に働くでしょう。

環境が変わって気分がリフレッシュする

異動のメリットの1つは、「環境が変わって気分がリフレッシュできる」ことです。

「新しい環境」で「新しい業務」に取り組めるため、これまでの職場で感じていたマンネリが解消され、モチベーションが上がる方も。

また、新しい患者さんとの関わりや、これまで経験のなかった疾患への対応は、自分の看護観を見直すきっかけにもなります。

人脈やネットワークの幅が広がる

異動をすると、同じ病院内で関わるスタッフが増えるため、横のつながりが強くなります。

看護師同士の交流だけでなく、医師やリハビリスタッフ、薬剤師、検査技師などの他職種との関係も深まり、連携がスムーズになります。

他職種との関係が深まると、専門外の知識が必要な場面で気軽に相談できるのも大きなメリット

また、複数の診療科や病棟の業務を経験すると、部署ごとの役割を理解しやすくなり、連携がスムーズになります。

新しいやりがい・目標が見つかる

異動によって新しい職場や業務を経験すると、これまでとは異なる「やりがい」や「目標」が見つかる可能性があります。

これまで興味のなかった分野が意外と楽しかったりと、新しい業務に挑戦する中で自分の適性を再認識できる場合も

このように、思いがけない分野に適性を感じ、これまで考えていなかった働き方やキャリアの方向性が見えてくるのも、異動をするメリットです。

看護師が異動先で良いスタートを切るためのポイント

看護師として働いている限り、異動はいつかは訪れるものです。

「できれば良いスタートを切りたい」と思う方も多いでしょう。

ここでは、「看護師が異動先で良いスタートを切るためのポイント」を3つ紹介します。

異動先の情報収集をしておく

良いスタートを切るためには、異動先の情報を事前に把握しておくのがポイント。

「業務内容」「業務の流れ」を理解しておくと、スムーズに業務に入れるため、戸惑いが少なくなるでしょう。

また、「職場の雰囲気」や「人間関係」「独自のルール」を知っておくと、新しい環境に馴染みやすくなります。

可能であれば、事前にマニュアルを読み込み、部署見学の機会を設けてもらうのがおすすめです。

事前に上司と顔合わせをしておく

新しい環境に早く馴染むためには、事前に上司と顔を合わせておくと良いでしょう。

異動前に挨拶をしておくと好印象を持たれやすく気軽に相談できる関係を築きやすくなります

また、「仕事の進め方」や「自分の役割」を確認しておくと、やる気をアピールできるだけでなく、異動後の業務にも早く適応しやすくなるでしょう。

スタッフひとりひとりに丁寧に挨拶する

異動先で良いスタートを切るためには、「スタッフひとりひとりに丁寧に挨拶する」ことも大切。

挨拶を交わしたことのある人とは、お互いに声をかけやすくなり、質問や相談がしやすくなるものです。

スタッフ全員と関係を築いておくことで、仕事を教わる際のハードルが下がり業務に早く馴染みやすくなるでしょう。

異動のストレスが強い・看護師を辞めたいと思った時の対処法

異動のストレスが強いと、耐えきれずに看護師を辞めたくなることもあります

ここでは、「異動のストレスが強い・看護師を辞めたいと思った時の対処法」を、2つお伝えします。

異動に納得できない時は上司に相談する

異動に納得できない時は、まずは上司に相談し、異動の理由や目的を確認しましょう。

異動前なら、「なぜその部署に配属されるのか」を聞き、自分が納得できるまで話し合うことが大切です。

異動後でも、事情によっては元の部署に戻れる場合もあるため、やはり話し合いが大切になります。

話し合いの際は、「異動が難しい事情」や「辛いと感じている理由」を整理し、冷静に伝えられるよう準備しておきましょう。

異動がどうしても辛い時は退職や転職も視野に入れる

異動が原因で看護師の仕事自体が嫌になってしまいそうなら、環境を変えるのも1つの手です。

例えば、「看護師長に相談しても解決しない場合」や「心身に不調が出ている場合」は、退職や転職も視野に入れて動いた方が良いでしょう。

転職する場合は、看護師向けの転職サイトを活用するのがおすすめ。

プロのサポートを受けつつ、自分に合った転職先をスムーズに探すことができます。

看護師の異動はメリットもたくさん!前向きに捉えてストレスを乗り越えよう

異動はストレスを感じやすいものですが、「新しいスキルの習得」「人脈やネットワークの拡大」など、メリットもたくさんあります。

「慣れない環境で働くことに不安を感じる」という方もいるかもしれませんが、前向きに捉えてストレスを乗り越えていきましょう。

ただし、どうしても辛い場合は無理をする必要はありません。

上司に相談したり転職や退職を視野に入れたりしながら、自分に合った働き方を見つけることも大切です。

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