「職場の人間関係に馴染めない」
「いつも会話に入っていけないため、浮いているように感じる」
このように悩んで働いていませんか?
看護師の職場は人員の異動が少なく、メンバーが固定している部署も存在します。
そのような中に新しく配属され、馴染めずに悩んでいる人もいるでしょう。
この記事を読むと、看護師が孤立していると感じやすい理由や、そんな時はどうしたらいいかヒントが得られます。
看護師が人間関係において孤立していると感じる場面
看護師が孤立していると感じる時は、職場で信頼できる人がいなかったり、同僚と呼べる人がいなかったりする場面が多いでしょう。
具体的なケースを見ていきます。
職場の雑談に加われない
ちょっとした日々の出来事や仕事の大変さを、互いに声を掛け合いながら和気あいあいと働いている看護師もいます。
仕事中の雑談は、人間関係を良くする潤滑剤となりますが、いつもその輪に入れないとストレスに感じるでしょう。
「自分だけ声をかけてもらえない」「いつも楽しそうにしているけど、話の中に入りにくい」といった、目に見えない蚊帳の外にいる感覚は、積み重なると孤独感につながり、職場にいづらくなる場合もあります。
職場の飲み会に誘われない
コロナで外出自粛を強いられていた時は、勤務中1人でご飯を食べるようにしていた病院もあります。
医療従事者が会食をして、コロナの集団感染を起こし、問題となっていたこともありました。
今はコロナの対策はとりつつ、忘年会や歓迎会などは以前と同じように開催されている病院もあります。
大きな会食以外にも、以前と同じように職場の数人で食事に行くようになっているのに、誰からも誘われない場合は孤立していると感じる人もいるでしょう。
職場に派閥やいじめがある
看護師の職場では、仲の良いグループを作ることを好む人もいます。
数人で派閥をつくり、医師と仲良くなって特定の人を一緒にけなしている場面に遭遇することも。
派閥をつくる看護師は、特定の人に対して無視をしたり、悪意のある態度を取ったりする人も少数ながら存在します。
当人はいじめとは思っておらず、相手に非があると思い込んでいるケースもありますが、そういう人と仕事をすると、孤立する可能性が高いでしょう。
看護師の人間関係で孤立を感じる理由
看護師の職場は、独自の環境が人間関係の悩みを生み出していると言えます。
その理由をみていきましょう。
人間関係の対立や派閥がある職場
いじめをする人は相手に非があると思い込んで、言いがかりをつける人も少数ながら存在します。
周囲に気づかれないように、1人だけ無視をしている場合もあります。
運悪くそういった人がいる職場に配属となると、自分に非がなくても、自分のいないところで悪口を言われ、居心地が悪くなり、孤立していると感じるケースも。
そういった相手は人を変えて、同じことを繰り返すため、同じ職場にいたら自分から居場所を変える方が良いでしょう。
パワハラが横行している
看護師の職場は、新人看護師からベテラン看護師まで、経験や年数にばらつきがあります。
知識や技術がある人は、知識の乏しい人に対して強い態度で指導する場面に出くわすことも。
理不尽な扱いに従い続けると「従順な人」とみなされ、エスカレートしていきます。
パワハラされる人は自分に原因がない場合でも「言い返してこない人」と相手が認識すると、先輩看護師からターゲットとなる可能性があります。
周囲からの助け舟がなければ、孤立していると感じるでしょう。
忙しい職場環境
忙しい環境だと、看護師同士のチームワークや病棟のリーダーが個人に負担がかからないよう調整することがとても重要です。
業務が多忙だと相談するタイミングがつかめず、1人で悩みながら判断しないといけない場合も。
スタッフ同士が、普段から些細なことで声をかけ合う職場ならいいですが、相談しにくい風土であれば、お互いが支え合いながら働いている実感がなく、孤立していると感じやすいでしょう。
時間を持て余す職場環境
病院によっては、看護師業務の量が少なくゆったりと働けるところもあります。
暇ができると、お喋りが好きな人が集まり、雑談や愚痴などが横行しやすくなります。
そういった話を聞くのが苦痛な人は、人間関係がしんどくなり、職場で孤立してしまう可能性も。
仕事中に暇を持て余すと清掃したり、マニュアルを見直したりと、できることは多々ありますが、良くない人間関係を築く場合もあるため、職場を変えた方が良いでしょう。
病院の閉鎖的な働き方
病院によって、暗黙のルールや根拠のない決まりが存在します。
新しく配属されると「おかしい」と感じることも、そこにいる人にとっては常識で、指摘しにくい場合も。
納得のいかない方法が細々と存在し、声をあげても変わらない場合は、周囲から浮いてしまい、孤立していると感じる可能性があります。
看護師の人間関係で孤立を感じやすい人の特徴
孤立を感じる時は、自分の物事のとらえ方や関わりを少し見直すと改善する場合があります。
周囲を変えることは難しいですが、自分を変えると状況が変わる可能性もあります。
人と比べてしまう性格
職場の人間関係が良好でも、「自分は馴染めていない」と感じる人がいます。
これは、同僚や他職種と上手にコミュニケーションをとれる人と自分を比べてしまう性格が影響しています。
仲良く過ごしている同僚を見て「自分だけが上手くやれていないのではないか」と考えやすい人は、孤立感を抱くことがあるのです。
コミュニケーションに苦手意識がある人
看護師は患者や他職種とコミュニケーションをとる機会が多い仕事です。
しかし、会話が苦手だったり表情が硬く見えたりする人は、周囲との関係を築くのが難しくなることがあります。
看護師の職場では、マスクやゴーグルをつけているため、表情がわかりづらく、声も聞き取りにくい環境も影響しているでしょう。
そのため周囲とのコミュニケーションがうまくいかず、孤立を感じやすい傾向があります。
仕事へのモチベーションが低い
看護師の仕事に対するモチベーションが低いと、孤立を感じやすくなることがあります。
働く理由が明確でなかったり、忙しい職場でペースを掴めなかったりすると、職場に馴染みにくいと感じることがあるからです。
仕事へのモチベーションが低いと、わからないことを後回しにしてしまい、自信を持って看護をすることができないため、仕事への意欲がわかなくなるといった悪循環になるでしょう。
また、周囲が熱心に働く環境では、その温度差から孤立してしまうこともあります。
人間関係で孤立に悩んだ看護師が辞めた方が良いケース
人間関係で孤立していると、仕事に身が入らなかったり、やりがいや楽しみを日々感じにくくなったりするでしょう。
無理をせずに職場から離れた方が良いケースをみていきましょう。
ストレスで体調とメンタルに変化がある
孤立していると、ストレスで食欲が落ち、夜に眠れなくなるといった体調面で不調を感じる可能性があります。
休日は眠くてずっと休んでいたり、出かける元気がなくなったりと、気力がおとろえる場合も。
食欲と睡眠に影響が出ている場合は、すぐにでも看護師長に相談した方がよいでしょう。
仕事に影響している
孤立していると周囲に助けを求められなかったり、相談できない風土だと仕事が円滑に進まなくなったりするケースもあるでしょう。
ストレスからミスも多くなり、自己肯定感が下がる可能性も。
ミスが続く時は、自分を責めるのではなく、周囲と連携が取りづらい環境ではないかを見直しましょう。
もし環境に問題があるなら、転職を考えても良いでしょう。
看護師が人間関係で悩んだ時に辞めない方が良いケース
睡眠や食事に影響がでている場合は、退職を考えた方が良いケースはありますが、体調面に影響がなければ、踏みとどまった方が良い場合も知っておきましょう。
一通り仕事を覚えていない
配属されて数日で「辞めたい」と感じるスタッフもいますが、まだ業務や職場に慣れていない段階で退職を判断するのは早すぎることが多いです。
看護業務を教えてもらっている間は、自分なりの工夫よりも、まずは仕事を覚えることが大切です。
1人で任されるようになるまでは、その場で頑張ることも選択肢の一つとなります。
上司が改善に取り組んでくれている
大きな病院では、人の異動も業務内容も変化が激しいことが多いでしょう。
看護師長や上層部が、働きやすい職場の風土を作ろうと目に見えて取り組んでいる場合は、改善されるのを待ってみると良い場合もあります。
パワハラを行う人は、その人の周りにいると退職者が増えるため、上層部も注意しています。
ただ周囲に期待する場合は、退職する期限を設けておきましょう。
待っていても変わらない場合もあります。
以前も同じ内容で悩んだことがある
「過去にも似たようなことで人間関係に悩んでいた」という場合、職場を変えても同じ問題が繰り返される可能性があります。
看護師長とうまくいかない、同僚と揉めるなどの悩みは、職場を変えても問題をかかえるケースです。
このような時は、すぐに辞めるのではなく「自分の意見の伝え方」や「周囲とのコミュニケーションの取り方」を見直してみると、関係が改善することもあります。
人間関係の悩みは環境だけでなく、自分の対応次第で解決できる場合もあるため、辞める前に一度振り返ることが大切です。
看護師が人間関係に悩んで孤立を感じる時の対処法
孤立を感じる時の対処法を知ることで、孤立を感じることが問題ないケースもあるとわかるでしょう。
対策を4つみていきます。
人との付き合い方について見直す
人が孤立していると強く感じる場面は、人がいても話の輪に入れない時や、誰も自分を気にしておらず、存在していないように扱われる時に感じるケースが多いです。
相手が自分に関心を持っていないと悩むなら、こちらから相手に関心を寄せてみましょう。
自分の聞きたい内容を聞くのではなく、相手が喜んで答えたくなるような質問をしてみます。
関心を寄せられると、相手は好意を持って答えてくれる場合が多いでしょう。
信頼できる人に相談する
人はさまざまな価値観で生きています。
自分にとって常識と思えることが、相談すると違った物の見方に驚く場合も。
人間関係には「262の法則」と呼ばれるものがあります。
どんな組織にいても「自分に対して2割は好意的、6割は普通、2割は好意的ではない」という内容です。
自分に好意的な人がいれば、悩んでいると相談してみると良いでしょう。
8割は自分にとって関心が薄いと思えば、孤立していると感じることが普通だと思えるかもしれません。
部署の異動を考える
孤立しているとストレスに感じる場合は、部署を変えてみると人間関係がリセットされて前向きに働ける場合もあります。
同じ病院内でも業務のルールが変わり、働きやすくなるケースも。
パワハラといった外部の要因で孤立している場合は、病院内の異動はいち早く環境を変えやすいでしょう。
転職を考える
転職を考える際は、看護部長と話をする機会をもつ場合もあります。
部署内に問題があり、孤立している状況を改善しようと早急に対応してくれる場合は、改善が期待できるでしょう。
しかし、対応に期待できない場合は、転職活動を並行した方が、時間を無駄にしません。
ストレスの強い環境にいると、行動する気力が失われ、辛くても我慢してしまう人もいます。
特にいじめやパワハラに関しては、我慢せずすぐに環境を変えた方が良いでしょう。
自分の身を守るためにも、転職は前向きな選択肢として考えましょう。
人間関係で孤立を感じる時は、自分自身と職場環境を見直してみよう
人は「誰も助けてくれない状況」や「自分の理解者がいない」と感じた時に、孤立していると強く感じます。
看護師の仕事は責任が重く、多重業務をこなしていく必要があります。
そのため、忙しくても互いに助けあう風土がなければ、続けていくことは難しいでしょう。
人との関わり方を見直しても、孤立しやすい環境であれば、迷わずに転職サイトに登録して違う職場を探してみることをおすすめします。
人は環境を変えることに抵抗を感じるため、多少しんどくてもそのままでいた方が楽だと思いやすいところがあります。
働く環境を見直すことが、自分を大切に扱うことにつながるため、悩んでいる人は行動してみましょう。