看護師として働いていると「急変対応にプレッシャーを感じる」「看取りをするのがつらい」など感じることはありませんか?
看護師の仕事は責任を感じる業務が多く、精神的にも身体的にも疲労してしまうことが多いです。
本記事では看護師の仕事に疲れてしまった人に向けて、看護師で命に関わらない仕事や転職方法について紹介します。
看護師の仕事に命に関わらないものがあるの?
看護師の仕事は、重い責任を感じる業務ばかりだと思われがちですが、命に関わらない仕事も多くあります。
今回は、10種類の命に関わらない仕事の内容や特徴について紹介します。
どんな職種なら自分に向いていそうか参考にしてみてください。
産業看護師(企業看護師)
産業看護師とは、一般の企業や医療機器メーカーなどで働く看護師のことです。
健康診断やストレスチェックの実施とその結果の振り返り、保健指導や健康相談などを行います。
また、けがの応急処置や体調不良な方の対応も行うことがあります。
クリニック看護師
クリニック看護師とは、クリニックで血圧・体温・脈拍などのバイタルサイン測定や点滴・採血・注射など医師の補助業務を行う看護師のことです。
受付や電話対応、備品の在庫管理、清掃などの業務を実施することもあります。
刑務所看護師
刑務所看護師の勤務場所には、一般刑務所と医療刑務所があります。
一般刑務所は、刑務所・少年刑務所などを指し、受刑者の健康管理や体調不良者の対応を行います。
医療刑務所とは、心身に疾患がある受刑者へ専門的な治療を行う矯正施設で、看護師は医師の診療・検査の介助、注射や点滴などを行います。
派遣看護師
派遣看護師とは、派遣会社に登録し雇用契約を結んで医療機関などの派遣先で看護業務を行う看護師のことです。
業務内容は病院で働く看護師とほぼ同じですが、派遣先によっては夜勤対応やオンコール対応がないこともあります。
保育園看護師
保育園看護師は、園児の健康管理やけがの処置、園内の衛生管理などを行います。
保護者からの園児の健康・発達相談にのったり、保育士とともに授乳やおむつ交換、園児と遊ぶなど保育を行ったりすることもあります。
コールセンター看護師
コールセンター看護師は、電話にて怪我や急病などに対して救急受診が必要かどうかを判断したり、服薬や病気に対する健康相談にのったりする看護師のことです。
医療機器メーカーや製薬会社などで働くことが多いです。
訪問看護師
訪問看護師は、自宅で生活している利用者のもとへ訪問し、医師が作成する訪問看護指示書に基づき、利用者のバイタルサイン測定や服薬管理、入浴や食事の介助などを行います。
利用者や、その家族の困っていることなどの相談にのることもあります。
保健師
保健師は、企業の従業員や地域住民に対して、生活習慣の見直しなどの保健指導や、現在の健康状態に不安を抱える方への健康相談を行います。
そして、改善や予防のために必要な行動を指導し、対象者がより健康に過ごせるよう支援するのが主な業務です。
美容クリニック看護師
美容クリニック看護師の勤務場所は、美容皮膚科と美容外科があります。
美容皮膚科では脱毛、シミ・そばかすの改善、美容点滴などの肌・皮膚に特化した施術を行います。
美容外科では、二重整形、豊胸術、脂肪吸引など外科的手術を行います。
美容クリニックでは、受付や電話対応、カウンセリングなども業務の一つです。
施設看護師
施設看護師は、介護施設などに入所する利用者のバイタルサイン測定や、服薬管理といった健康管理を行います。
入浴介助や食事介助、点滴、痰吸引といった医療行為を行ったり、通院の付き添いを行ったりすることもあります。
命に関わらない看護師の仕事のメリット・デメリット
次に命に関わらない看護師の仕事のメリット・デメリットについて解説します。
病棟での働き方とは違う部分が数多くあり、戸惑う部分もあるかもしれません。
それぞれの仕事内容の特徴について理解し、自分にあった職業を探してみましょう。
産業看護師(企業看護師)
産業看護師は、オフィスで働く人々と同じように働けるのが強みです。
主なメリットは以下の通りです。
- 給与が病棟看護師と同じか、高い
- 日勤のみ、土日祝日休みが多い
- 残業が少ない
- 医療処置が少ない
- 看護師1~2名体制のことが多く、人間関係に悩まされない
一方で、下記のようなデメリットもあるので注意しましょう。
- スキルアップしにくい
- 看護師の人数が少なく、自己判断が必要になる
- パソコンでの書類作成など事務作業も多い
- 求人数が少ない
クリニック看護師
クリニック看護師は医師の補助業務と事務業務がメインでしたね。
メリットには下記のものがあります。
- 夜勤がない
- 難しい医療処置が少ない
- 病院と比較して件数が多いため、自宅近くで職場を探しやすい
デメリットは以下の通りです。
- 夜勤がないため、給与が下がることがある
- 看護スキルを活かす場が少ない
- 院長との関わりや、病棟よりも看護師の人数が少ないため人間関係に気を遣う
刑務所看護師
刑務所看護師は病棟では経験できない業務が多く、メリットにも様々なものがあります。
- 国家公務員で給与が安定している
- 受刑者と直接話す機会が少なく、コミュニケーションが苦手でも働きやすい
- 矯正医療について学べる
- 一般刑務所は夜勤がない
- 基本的に土日祝日休み
デメリットは下記になります。
- 通勤が不便なことが多い
- 一般刑務所は看護スキルを活かす場が少ない
- 医療刑務所では夜勤がある
- 求人数が少ない
派遣看護師
派遣看護師は自由に働くことができるのが魅力です。
メリットも見てみましょう。
- 給与が高い
- 残業が少ない
- 病院のような長期研修や勉強会参加がほぼない
- 自分の好きな時に自由に働ける
- 人間関係が楽
一方でこのようなデメリットもあります。
- どんなに良い職場でも契約期間がある
- 在宅ローンなどの審査に通りにくくなる可能性がある
- ボーナスがない
- 求人倍率が高い
保育園看護師
保育園看護師は園児とより深く関われるのが魅力です。
メリットには下記のようなものがあります。
- 夜勤がない
- 園児の成長をみられる
- 医療処置が少ない
- 保育の知識や技術が身に付く
- 土日祝日休み
反対にデメリットは以下になります。
- 日勤のみの勤務であり、給与が下がる
- 看護スキルを活かす場が少ない
- 看護師が一人しかいない保育園もあり、一人で判断しないといけないときがある
- 保護者対応が大変な時がある
コールセンター看護師
コールセンター看護師は電話にて相談対応を行います。
メリットを確認してみましょう。
- デスクワークなため、体力的負担が少ない
- ネイルやヘアカラーが自由な職場もある
- 接遇のスキルが上がる
- 短時間勤務ができる
デメリットにも注意しましょう。
- 自分一人で判断しないといけない
- オンコールの職場もある
- 看護スキルが落ちる
- 慣れないデスクワークに疲れる
- パソコンスキルが求められる
訪問看護師
訪問看護師は利用者の自宅にて看護を行います。
メリットは以下になります。
- 日勤が多く、直行直帰OKなど柔軟な働き方ができる
- 給与が高い
- 土日祝日休みが多い
- 利用者にじっくり向き合う看護ができる
一方でデメリットもあります。
- オンコールがある可能性がある
- 看護スキルを活かす場が病棟より少ない
- 自分一人で判断する必要がある
- 夏の炎天下、冬の悪天候時の訪問が大変
保健師
保健師は対象者が健康に過ごせるよう支援するのが主な仕事です。
メリットにはこんなものがあります。
- 給与が比較的高い
- 夜勤がなく、土日祝日休みが多い
- 医療処置が少ない
- 予防医療に貢献できる
- 地域に密着した看護ができる
反対にデメリットはこちらです。
- 求人が少ない
- 看護スキルを活かす場が少ない
- 事務作業や雑務も多い
美容クリニック看護師
美容クリニック看護師は美容に関する施術を行う看護師でした。
メリットは以下になります。
- 夜勤がない
- 給与が高く、インセンティブ制度のあるクリニックもある
- 残業が少ない
- 美容の知識が身に付く
- 割引価格で最新の施術を受けられる
デメリットには下記のものがあります。
- 高い技術・丁寧な接遇など病院とは違う配慮が必要
- 採用内定倍率が高い
- 売り上げ、ノルマがプレッシャーになる
- 土日祝日出勤がある
- 看護スキルを活かす場が少ない
施設看護師
施設看護師は施設にいる利用者の健康管理を行います。
メリットには下記のものがあります。
- 介護は介護士が行うことが多く、体力的な負担が少ない
- 夜勤・残業が少ない
反対にデメリットは以下になります。
- 看護師の入れ替わりが少なく、求人倍率が高い
- 看護師が少ないため、自己で判断しないといけない
- 給与が病棟より少ない傾向にある
- 看護スキルを活かす場が少ない
看護師が転職を判断するときに大事なこと
ここでは、看護師が転職をするか迷った時に考えるべきことについて3つ紹介します。
転職をした後に「前の職場のほうが良かった。」とならないためにも、転職を判断するときに大事なことについて考えていきましょう。
なぜ今の職場を辞めたいのか
急変対応へのプレッシャーや、看取り対応がつらいといったこと以外にも、先輩看護師が怖い、不規則な勤務形態に疲れるなど、辞めたいと感じる理由は人それぞれあるでしょう。
現在の仕事を辞めたい理由を明確にすることで、次の転職先で自分が何を大切にしたいのかを理解できます。
これから自分はどんな看護師になりたいのか
命に関わらない看護師の仕事のデメリットの一つに、看護スキルを活かす場が少なく病棟勤務に戻るのが難しいことがあります。
今の仕事の延長線上に将来の看護師像があるなら、転職せずに頑張ることも一つの方法です。
今の自分に必要な環境は何なのかを見極めましょう。
同期や先輩など周囲の意見を聞いてみる
どんな看護師でも、皆さんと同じように仕事を辞めたいと感じたことはあると思います。
そんな時に、同期や先輩はどのように対応したのか聞いてみると、的確なアドバイスがもらえるかもしれません。
また先輩看護師の中には転職経験のある人もいるため、実体験を聞いてみると参考になるでしょう。
命に関わらない看護師の仕事の探し方
看護師転職の方法にはハローワークに行く、実際に気になった病院に自分で連絡するなどさまざまなものがあります。
今回は、看護師の転職サイトを使用する方法や、そのメリットについて解説します。
看護師転職サイトを利用する際は、転職サイトに登録後、電話やウェブ、対面にて自分の希望する働き方などを伝えましょう。
その後、求人の紹介を受け、条件に一致した求人があれば応募します。
応募書類の添削や面接対策を行ってもらい、入社までのサポートも受けられますよ。
看護師の仕事探しに転職サイトがおすすめな理由4選
ここでは看護師転職に、なぜ転職サイトがおすすめなのかを紹介します。
これを読んで自分に合っていると感じたら、転職サイトに登録をしてみましょう。
その仕事に詳しい転職エージェントがいる
転職サイトにはその仕事に詳しい転職エージェントがおり、一人で調べるのが難しい職場の雰囲気や人間関係、離職率などを詳しく教えてもらえます。
ほかの職場の労働環境と現状を比較し、自分の希望に沿った転職ができます。
求人募集を見逃さない
転職サイトに登録しておくと、求人募集が入った際に連絡がきてすぐに応募できます。
命に関わらない看護師の仕事は、求人が少ないというデメリットがありますが、転職サイトに登録しておけば見逃すことがありません。
自分では見つけられない案件を見つけることができる
転職サイトには、ネット上で公開していない非公開求人を取り扱っている場合があります。
1人で就職活動をしていては見つけられないような案件もあるため、給与面や待遇でも期待ができます。
転職前後のサポートがある
転職サイトでは、面接の日程調整や給与交渉といったやり取りを代行してもらえます。
また応募書類の添削や面接対策を受けることも可能です。
転職サイトの中には、就職後にもフォローの連絡をしてくれるサイトもあり、初めての転職でも安心です。
命に関わらない看護師の仕事はたくさんある!現状を変えたい方は看護師転職サイトへ登録してみよう
命に関わらない看護師の仕事や、その仕事へ転職する際のポイントについて解説しました。
日々の業務で精神的にも身体的にも疲労してしまうことが多いと思います。
しかし、看護師の仕事の中には命に関わらないものも多くあるため、自分の現状の不満を明らかにして、希望に沿った職場を見つけましょう。
転職サイトを利用することで、職場の内部情報やレアな求人情報を得やすくなるはず。
さらに転職前後のサポートを受けられるのは、今の職場を続けながら転職する方には強い見方になります。
皆さんも自分の理想とする働き方を手に入れるために、転職サイトを上手に活用しましょう。