転職しまくる看護師は再就職しにくい?不利といわれる理由や転職成功の秘訣を解説

転職しまくる 看護師

転職しまくる看護師の中には、次の転職先が無事に見つかるか不安に感じている人が多いです。

面接で落とされてしまうのではないか、そもそもどうして私はこんなに転職してしまうのかと悩むこともあるでしょう。

この記事では、転職回数が多い看護師が転職で成功する秘訣転職を繰り返さないためのコツを紹介します。

看護師の平均的な転職回数は?

厚生労働省の調査によると、看護師の平均転職回数は2回で、2回以下が67.3%を占めています。

転職回数割合
0回39.4%
1回26.5%
2回16.0%
3回9.0%
4回3.9%
5回以上3.5%

以下の表は、日本看護協会が発表している「年齢とこれまでに所属した勤務先数の割合」です。

年齢1~2ヵ所3~4ヵ所5~6ヵ所
20歳代82.0%17.0%1.0%
30歳代63.5%32.1%3.6%
40歳代47.2%37.9%11.1%
50歳代37.5%37.6%17.4%

この表からも、転職回数は2回以下の人が多いことが分かります

一方で、転職回数が0の人が4割程度しかいないことから、看護師の転職自体はそれほど珍しくないことも見えてきますね。

参考:厚生労働省「看護職員就労状況等実態調査結果 資料2」

日本看護協会「2021年看護職員実態調査」

転職回数が不利になるのは何回から?

転職回数が不利になる回数は、20代では2回以上、30代では3回以上からといわれています。

厚生労働省の調査でも、3回以上の転職を繰り返す人の割合は極端に少なくなっています。

3回目の転職からは、その珍しさも相まって「何度も転職している人」という印象がついてしまう可能性があるでしょう。

とはいえ、20代後半以降は結婚や出産など、ライフスタイルの変化があることも多く、やむを得ない転職も増える時期です。

転職回数が3回以上ある場合でも面接時にしっかり理由を話せば採用側も理解してくれるでしょう

転職回数の多さがネガティブイメージになる理由

転職回数が多いと、面接で採用されづらくなることがあります。

ネガティブイメージになる理由を、詳しく解説していきます。

すぐに辞めてしまいそう

「忍耐力がない」「仕事への意欲がない」と思われ、すぐに辞めてしまいそうだと判断されることがあるでしょう。

すぐに辞められてしまうと病院側のデメリットが大きくなるため、採用担当者は長期間働いてくれる人を求めています

面接の前に書類選考がある病院の場合は、履歴書を確認した時点で不採用になってしまうこともあるので注意が必要です。

看護師としてのスキルが少なそう

転職回数が多い看護師は短期離職の可能性が高いため、スキルが少ない印象を与えてしまいます。

特に、中途採用を募集している病院は即戦力として働ける看護師を求めています

看護師としてのスキルが少なそうに思われてしまうことは、ネガティブイメージになるでしょう。

コミュニケーション能力が低そう

転職を繰り返していると、「転職先の人間関係になかなか馴染めないのではないか」と思われることもあります。

看護師は協力しながら仕事をすることが多いため、コミュニケーション能力は重要です。

既存スタッフとの人間関係が上手く築けず仕事に影響が出るのではないかと、マイナス評価になることも考慮しなくてはなりません。

転職しまくる看護師の面接対策・履歴書の書き方

転職回数が多い看護師は、面接で落とされてしまう可能性が高いです。

そこで、面接時に気を付けるポイントや履歴書の書き方について解説します。

転職理由をポジティブに言い換える

転職理由が、採用担当者にマイナスな印象を与えてしまう可能性がある場合は、ポジティブに言い換えましょう。

転職理由別に、ポジティブに変換する時の例文を紹介するので、参考にしてみてくださいね。

人間関係が理由で辞めた場合

職場で良好な人間関係を築けずに辞めた場合、「いじめられていた」などと直接的に話すのはおすすめできません

結果的に1人で業務をこなしている状態だったことなど、事実をベースに視点を変えて話すと良いでしょう。

例文)前職では個人での仕事が多かったです。しかし私はチームで協力して看護業務をしていきたいと考えています。御院の仕事環境を拝見し、私の理想とする働き方ができるのではないかと思いました。

待遇が理由で辞めた場合

「お給料が安い」「休みが少ない」などが理由で辞めた場合も、前の職場への恨み節は厳禁です。

「公私のバランスを取りたい」「仕事以外の時間をスキルアップの時間に充てたい」などの理由なら、良い印象を与えられます。

例文)家事や育児などと仕事のバランスが崩れ、体調を崩してしまいました。御院の勤務時間であれば、私生活との両立が可能なため、長く続けられそうと感じました。

家庭の事情で辞めた場合

結婚や出産、夫の転勤などで辞めた場合は、特に心配は要りません。

家庭の事情の転職は悪いことではないため事実をそのまま伝えて大丈夫です

今後のライフプランまでしっかりと伝えられれば、採用担当者を安心させられるでしょう。

志望動機をしっかり伝える

面接時には志望動機をしっかり伝え、「御院で働きたい!」という気持ちをアピールすることが大切です。

志望動機は「病院のホームページ」「病院の口コミ」を参考にしてください。

自分が患者として受診した経験があれば、その時の印象も話すと、独自性がありさらに良いでしょう。

経験豊富なことをアピールする

転職回数が多いということは、看護師として多くの職場・部署を担当してきた実績があり経験が豊富ということにもなります

新しい環境で働くことにも慣れているため、コミュニケーションスキルの高さなども一緒にアピールできるでしょう。

履歴書は素直に書く

転職回数が多いと、「履歴書の経歴を全部書きたくない」と思う人も多いです。

しかし、職歴は省略してはいけません

隠したところで、社会保険加入時に提出する年金手帳や、雇用保険加入時に提出する雇用保険被保険者証などで、病院側にもすぐに知られてしまいます。

病院側との信頼関係も崩れてしまうため履歴書は素直に書きましょう

転職しまくりな看護師でも採用してもらいやすい人は?

転職回数が多い看護師でも採用してもらいやすい人がいます

どのような人なのか、それぞれ紹介していきます。

就職先に一貫性がある

例えば、産婦人科の病院から産婦人科のクリニックへの転職など、1つの分野での転職が多い人は、採用してもらいやすいです。

職場は変わっても、その分野に対して専門性が高く仕事に軸がある印象を持ってもらいやすいでしょう

1ヵ所でも3年以上勤務をした経験がある

3年以上継続して1ヵ所で勤務をしたことがあれば、「長期勤務ができる人」と判断されやすいです。

面接では、長期間働いた職場にいた頃の自分についてアピールしましょう。

どうして長期間働けたのか自分で振り返ってみると面接時に話しやすいです

人柄が良い・常識がある

転職を繰り返していても、人柄が良かったり常識があったりするだけで採用担当者に好印象を与えられます

面接中は笑顔を忘れずに、明るい雰囲気を作り出しましょう。

ハキハキと丁寧な言葉で話すと、さらに印象が良くなります。

シフトにこだわりがない

求人している側は、できる限り募集条件通りに働いてもらいたいと思っています。

そのため、独身の人や子供が手を離れた人などシフトの柔軟性が高そうな人ほど採用してもらいやすいです

子供がいる場合でも、近くにサポートしてくれる人がいることなど、対応策を話せると良いでしょう。

転職回数が多い看護師ならではの理由は?

看護師は他の企業に比べて転職回数が多い職種です。

ここでは、看護師ならではの転職回数が多くなる理由について解説してます。

人間関係が良くない

最近は男性看護師が増えてきましたが、まだまだ女性看護師が多く、女社会です。

そのため妊娠・育児などのライフスタイルの変化がシフト関係にダイレクトに影響し超過勤務が増えたり休みが取りづらかったりと強いストレスを感じる人も少なくありません

こうして心に余裕がなくなることで、人間関係が上手くいかないことも増え、閉鎖的な環境の中でギスギスしてしまうことも。

職場のスタッフ内だけではなく、患者様やそのご家族との人間関係も難しいため、人間関係を理由に転職する看護師は少なくありません。

体力面での負担が大きい

看護師は夜勤もあったり、患者様の移乗があったりとかなり体力を使います。

20代の時は難なくこなせていた夜勤や力仕事が歳を重ねるにつれて辛くなっていくことも

自分の体力にあった働き方を求めて、夜勤のないクリニックなどに転職する人は多いです。

ライフスタイルの変化

結婚や出産、夫の転勤などが理由で退職する人も多いです。

結婚や出産後に家庭とのバランスを保つことを考えると、夜勤は難しくなってきます。

そのため、ライフスタイルが変化したタイミングで日勤のみの職場に転職する人が多いのです

また、看護師の資格は全国どこでも通用するため、夫の転勤についていく判断をしやすいのも理由の1つでしょう。

命にかかわることへの重圧

看護師の仕事柄、医療ミスをすると患者様の命を脅かす可能性があります。

特に、救急病棟など命に直面する職場は常に緊張感を持って仕事をしなければいけません

ミスが許されない環境で毎日働いていると、精神的に辛くなってくることも。

重圧に耐えきれず、体調を崩してしまい転職を余儀なくされるパターンがあるでしょう。

他業務への興味

看護師の仕事は、病棟、クリニック、訪問看護、派遣看護師、介護施設などたくさんあります。

病棟やクリニックの中でも、小児科・泌尿器科・整形外科・脳神経外科など、分野もたくさん分かれています。

1つの分野に留まらず自分の興味やキャリアアップのために転職する人もいるでしょう

転職しまくる看護師の特徴

看護師の中でも、特に転職回数が多くなってしまう人には4つの特徴があります

もう転職したくないと思っている方は、自分が当てはまっていないかチェックしてみてくださいね。

転職先の情報収集が不足している

転職先の情報が不足していると、勤務してから違和感を覚えることがあります。

「入ってみたらやっぱり違った」を防ぐためには、転職活動をしている時から情報収集をしっかり行うことが大切です。

例えば、ホームページだけではなく、口コミや職場の雰囲気も確認しましょう。

もし見学ができる職場なら、1度見学することをおすすめします。

医師や看護師の雰囲気院内のキレイさ患者様の人数などを把握しておきましょう

情報をしっかりと収集しておくことで、勤務後にギャップを感じることが少なくなります。

キャリアプランが明確ではない

キャリアプランを明確にしておかないと、転職を繰り返してしまいます。

まず、自分がなりたい看護師像があるなら、どうしたらそこに近づけるのかを考えましょう。

例えば「助産師になって、産婦人科で働きたい。だけど今は子供が小さいため学校に通えない…。」と思っている場合。

今できることは、「看護師として産婦人科で働いてみる」「助産師養成学校について調べておく」ということです。

未来の自分が後悔しないように、キャリアプランを考えたうえで転職をしましょう。

自己分析が足りない

働き方、年収、業務など、自分が何を求めているのかどうしたいのかを深く考えましょう

例えば「月収は10万円もらえればそれで良い」という人が、「月収は40万円もらえるけど忙しい正社員」として働き始めてしまったら、きっとすぐに辞めてしまいますよね。

自己分析をして、自分の軸をハッキリさせてから転職先を見つけましょう。

転職先の雰囲気に慣れない

病院かクリニックか、何科の配属かなど、職場によって雰囲気は全く違います。

そのため、転職先の雰囲気になかなか慣れず、転職を繰り返してしまうことがあります。

「仕事内容や人間関係に慣れるまでは時間がかかることもある」と理解しておきましょう。

新しい職場に慣れるまでの期間の過ごし方は、下記の記事を参考にしてください。

看護師 中途採用 慣れるまで 中途採用の看護師が職場に慣れるまでの期間は?馴染めない時は転職を考えてもいい?

転職しまくりな看護師が今の職場を辞める前にやってみること

ここでは、現職を辞めたくなってしまった時の対処法を3つ紹介します。

転職回数を増やしたくない人は、ぜひ下記の方法を試してみてください。

趣味を見つける

熱中できる趣味を見つけると、生活にメリハリができます。

勉強や習い事を始めてみても良いです。

他にもジョギングや読書、動画配信サービスを観るなど、楽しみを見つけましょう。

プライベートの時間を充実させることで精神的なワークライフバランスを保つことができるようになります

友人に相談をする

1人で考えていると、マイナス思考になることが多いです。

友人に相談することで違う考え方を取り入れられることも

友人が看護師の場合は、もしかしたら同じ悩みを抱えているかもしれません。

1人で抱え込まず、友人に話を聞いてみると新たな解決策が見つかることもあるため、まずは思い切って相談してみましょう。

看護師転職サイトに登録する

仕事を辞める前に、看護師転職サイトで良い条件の職場を探しておくのがおすすめです。

仕事を辞めてから転職活動を始めると、収入がなくなったことで焦ってしまい、転職先を決める際に妥協してしまうことも。

満足のいく転職を実現するためにも、仕事を辞める前から看護師転職サイトに登録しておきましょう

看護師専門の転職エージェントに登録すれば、担当のキャリアアドバイザーがつき、自分の条件に合った看護師求人を見つけてくれます。

転職サイトによって、求人数や提携している病院が違うため、2社程度は登録しておくと良い職場が見つかりやすいでしょう。

転職しまくりな看護師でも再就職できる可能性あり!まずは自分と向き合ってみよう

看護師の転職回数が不利になるのは20代は2回以上30代は3回以上からだといわれています

しかし、転職理由をポジティブに伝えることや、明るくハキハキした雰囲気を面接で見せることで、転職しまくりの看護師でも再就職ができる可能性が高くなります。

まずは自分と深く向き合って、キャリアプランを考え、転職サイトに登録してみることから始めましょう。

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