今の環境に不満を感じて、昔勤めていた病院に戻りたいと考えている看護師の方もいるのではないでしょうか?
以前の職場に不満があって辞めたものの、改めて元職場の良さに気づいて「戻りたい…」と考えることは珍しくありません。
この記事を読むと、出戻りを希望する場合の志望動機の書き方と、その際に知っておくと良いポイントが分かります。
出戻りする看護師が履歴書を書く前に知っておくこと
応募する前に、採用者側の視点を知っておくことで、採用される可能性が高まります。
ここでは、病院側の視点と、どのようにして自分の強みを効果的にアピールできるのかについて見ていきます。
病院側の応募者に対する期待や不安を知る
病院側は出戻り希望の看護師に対して「以前と同じように辞めてしまうのではないか」と不安を感じています。
また以前辞めた時よりも、スキルアップしているかといった点も見ているでしょう。
20代後半であれば、臨床の現場で即戦力となるか、病棟のリーダーができるかといった点が見られます。
30代以降であれば、臨床の実務能力だけでなく、部署でのマネジメント能力や教育的役割を担えるかといった点も求められます。
採用者側が、そのような期待を持っていることを念頭において、履歴書を書く必要があります。
病院側が書類で確認する点を知る
志望動機を書く時は、丁寧な字で、誤字脱字がないか注意しましょう。
病院側は、志望動機に出戻りの理由が納得できるか、仕事への意欲や熱意が感じられるかを見ています。
現在病院に勤めており、退職予定であれば、納得できる転職理由を伝える必要があります。
応募している病院で、スキルを磨く意欲を伝えられると、採用側も活躍を期待して前向きに考えてくれるでしょう。
出戻ることを必要以上に気にしない
出戻りする看護師の割合は、少数ながら一定数います。
それほど珍しいことではないので、過度に心配する必要はありません。
もう一度働きたい病院だと、評価している点が相手側にも伝わります。
病院は人材不足が多いため、採用側は看護師の確保ができて、助かると感じているでしょう。
以前働いていた経験から活躍できることを伝える
出戻り看護師を採用するメリットは、病院のシステムやカルテ記載、仕事内容について教える時間を大幅に削減できる点にあるでしょう。
全く同じ職場であれば、経験を活かして即戦力になれます。
そのような病院側のメリットに加えて、貢献したいという気持ちを伝えましょう。
病院側の視点に立ち、働いているところを具体的にイメージしてもらえるような志望動機だと、採用を前向きに検討してくれます。
前職の退職理由を伝える
他の病院に勤めて退職し、数ヶ月もせずに出戻りをする看護師もいます。
短期間で他の病院を経験したため、心証が悪いだろうと後ろ向きに感じるでしょう。
しかし、短期間でも他の病院を経験したからこそ、以前の病院の良さが分かったというメリットもあります。
退職理由は、簡潔に示した上で、今後の働く姿勢を志望動機でアピールしましょう。
看護師が出戻りで良い印象を与える志望動機の例文
採用する担当者の気持ちになって、出戻り看護師が良い印象を与える志望動機を見ていきましょう。
子育てや体調不良でブランクがある場合など、様々な例をあげています。
転職して失敗した場合の志望動機例文
以前は、〇〇科の疾患や対応について知識を深めるため、新たな環境での挑戦を決意し、他院に転職いたしました。
しかし、希望していた〇〇科への配属が叶わず、異動の見通しも立たない中で、今以上のキャリアアップが難しいと判断し、退職を決意いたしました。
これまで〇〇科での豊富な経験を通じて、患者様の病態に応じた最適な看護を提供することを常に心がけてまいりました。
これまで培ってきたスキルを活かしつつ、さらに認定看護師の資格取得を目指すことで、より質の高い看護を提供し、貴院に貢献したいと考えています。
子育てが落ち着いて再就職を目指す場合の志望動機例文
〇〇年まで3年間、内科病棟で勤務しておりましたが出産と子育てのため退職しました。
子どもの手が離れた今、もう一度看護師として貴院に復職したいと考えております。
再就職に向けて看護協会の復職支援研修を受講し、最新の知識を習得して即戦力となれるよう準備しております。
貴院の「地域医療へ貢献する」というスローガンのもと、患者様に寄り添った看護を提供できるよう精進いたします。
留学していた看護師の志望動機例文
外国人の患者の増加に対応するため英語力を向上させたいと考え、語学留学のため貴院を退職いたしました。
留学後、TOEICで〇点を取得し、現在も語学の勉強を継続しております。
海外留学で培った語学力は、貴院の医療サービスに貢献できるものと自負しています。
また、海外での経験を通して、日本の医療の素晴らしさを実感し、貴院でもう一度働く機会をいただきたいと思い、応募いたしました。
ブランクが長い場合の志望動機例文
以前、看護師として貴院に勤めておりましたが、体調不良のためやむを得ず退職いたしました。
その後、治療を通じて患者の立場を経験し、看護師としてどのような対応が求められるのかを身をもって経験しました。
現在は体調も回復し、業務に差し支えありません。
まずは医療従事者として自分の健康管理を徹底すること、そして患者さんの気持ちに寄り添う看護を行うよう努めてまいります。
出戻りする看護師の志望動機のNG例文
ここでは、病院側にマイナスの印象を与えてしまう志望動機の例文を見ていきましょう。
NGポイントは、病院側のメリットやニーズを考慮せず、応募者側の都合や事情のみを強調している書き方です。
前職に対するネガティブな表現
前職では、人間関係に悩み退職いたしました。
その後は、新しい職場で知識と技術を身につけ、医療に従事してまいりました。
人間関係に悩んだ、業務量が多かったという伝え方は、どこの病院でも起こることだと捉えられるでしょう。
また同じ理由で退職するのでは、ネガティブな印象を与えます。
待遇や条件ばかりを並べた内容
前職は有給休暇がとれず、時間外労働も常態化していたため、労働環境が整っている貴院で働きたいと思い、希望いたしました。
労働環境についてのみ記載されていると、採用担当者は待遇面しか見ていないのだろうか、と不安に感じます。
志望動機が明確でない内容
看護師として、人の役に立てることを喜びと感じています。
貴院で、気持ちを新たに働く機会をいただきたいと思っています。
出戻る場合は、職場にメリットがあることを伝えましょう。
周囲から何を求められているかについて考えず、自分がどうありたいかだけを伝えてもアピールになりません。
看護師の出戻り時のよくある悩み
出戻りすると、以前と看護をする環境が変わっているため、こんなはずではなかったと感じることもあるでしょう。
出戻り看護師のよくある悩みにお答えします。
2ヶ月で戻るのは早すぎる?
出戻り期間に決まりはありません。
早い人であれば、退職後2ヶ月たたずに戻ってくるナースもいます。
出戻り期間が短かければ、カルテ内容や業務の変更も少なくスムーズに仕事を行えるでしょう。
本人の気持ちの問題なので、期間を空けた方が周囲は受け入れやすいと感じたら、間隔を空けるのも一つでしょう。
戻ったら気まずい?
同じ部署や上司と一緒に働くことになれば、最初は気まずく感じても、1週間もすれば以前と同じように働いているでしょう。
出戻り看護師は、退職時に周囲と揉めていたり、トラブルを起こしたりしていなければ、即戦力となるため、歓迎される場合が多いです。
出戻りしたことを気にしていないように振る舞うと、周囲も問題なく受け入れてくれるでしょう。
希望の配属にならない可能性がある
部署の希望があれば、面接時に伝えると良いでしょう。
以前働いていた部署に戻れるかは、その時のスタッフの配置によって変わるため、分かりません。
出戻りをする部署の人と連絡をとっているなら、希望する部署内の人手が足りているか聞いておくと参考になります。
ICUや救急外来など特殊な部署で長年経験があったり、認定看護師などの資格があったりすると、希望部署に配置になりやすいかもしれませんが、希望通りにいかない可能性は視野に入れておきましょう。
後輩が上司になる可能性もある
希望の部署に配属になった場合に、当時は自分が後輩に教えていた立場であっても、後輩が昇進して上司になっている可能性があります。
人柄の良い後輩であれば良いですが、仲が良くない場合はストレスになる可能性も。
出戻りしても上司とうまくいかずに、辞める看護師も一定数います。
看護師が出戻ることは可能!採用側の見るポイントを知って志望動機を充実させよう
以前の職場に戻りたいと思う気持ちがある場合は、今も働いている同僚がいたら、職場環境や人間関係に変化がないか聞いてみましょう。
医療現場は移り変わりが激しいため、新しい医師が来ただけでも、方針が変わって業務が忙しくなっている可能性もあります。
周囲の人員配置や昇進の有無も聞けると良いでしょう。
事前に情報を集めて、それでも出戻りを希望する場合は、病院側にもう一度働きたい意思を伝えます。
出戻り看護師は、他の病院よりも良い職場環境だったと評価して戻ってきています。
育児や体の不調でブランクがあったとしても、戻った病院できっと活躍できるでしょう。