「退職したいけれど、なかなか言い出せない……」
このような悩みを抱える看護師の方は少なくありません。
忙しい職場の雰囲気や人間関係を考えると、どう伝えるべきか迷うでしょう。
この記事では、退職を切り出しやすくするコツや、退職理由別の伝え方をくわしく解説します。
体験談を交えて説明しますので、退職をスムーズに伝える方法がわかるはず。
円満に退職して新たなステップに進みたい方は、ぜひ最後までお読みください。
看護師が退職を伝える前に準備しておくべきこと
職場に少しでも未練があったり、上司に強く引きとめられたりすると、だれでも気持ちがゆれるものです。
これらを防いでスムーズな退職につなげるために、今回紹介する4つの方法で整理・準備しておきましょう。
退職理由を明らかにしておく
退職を切り出すときは、退職理由をはっきりさせておきましょう。
上司から「考え直して」と無駄な引き止めにあわないようにするためです。
ポイントは、できるだけポジティブな理由を伝えることです。
たとえば「仕事がつらいから」「人間関係が悪いから」といったネガティブな理由だと「改善するから残ってほしい」と言われかねません。
具体的な伝え方については「看護師の退職の伝え方|退職理由別に例を紹介」を参照してください。
退職を伝えるタイミングを決めておく
退職を伝えるタイミングを誤ると「今は無理」と引き止められてしまうかもしれません。
上司の機嫌が悪かったり、病棟内が忙しかったりするときは避けましょう。
おすすめのタイミングは、定期面談のときです。
この時間なら、ほかの人に聞かれずに落ち着いて話させるためです。
もし面談がない場合は、業務が落ち着いた時間に「お話したいことがあります」と切り出すとスムーズです。
担当業務を誰にどのように引き継ぐか検討しておく
退職を伝えるときに「この業務はAさんに引き継ぐ予定です」と説明できると、上司の安心につながります。
また、引き継ぎの準備をしていることが上司に伝われば「本気なんだな」と退職を受け止めてもらいやすくなります。
あらかじめ、誰にどのように引き継ぐか考えておきましょう。
退職届を準備しておく
退職を切り出したあとは、引き継ぎや業務整理で忙しくなりがちです。
早めに退職届を準備しておくと、スムーズに手続きが進められるでしょう。
また、退職届を用意しておくことで、自分の気持ちが固まりやすくなり、迷いもなくなります。
決意を持つためにも、上司に話す前に作成しておくことをおすすめします。
看護師の退職の伝え方|退職理由別に例を紹介
退職理由は、実際はどんなにネガティブでも、できるだけポジティブに伝えるのがポイントです。
ここでは、退職理由別に、伝え方の例を紹介します。
人間関係に悩んだ場合
人間関係が理由で退職を検討するときは、そのまま伝えるとトラブルになるおそれがあります。
そのため「新しい環境で自分の成長を試したい」と伝えるのがよいでしょう。
このような伝え方であれば、上司も前向きな理由として受け止め、引き止めにくくなります。
職場への不満がある場合
人間関係と同様に職場への不満を伝えてしまうと、上司との関係が悪くなったり、職場に噂が広まったりするおそれがあります。
すると、退職までの期間の精神的負担が大きくなりかねません。
この場合は「以前興味のあった訪問看護の道に進みたい」と、新しいキャリアの話をするとよいでしょう。
不満が理由であっても前向きな伝え方であれば、退職の意思をスムーズに伝えられます。
スキルアップを目指す場合
スキルアップを目指すことそのものがポジティブであるため、そのまま伝えるとよいでしょう。
反対に「ここでは学べない」と伝えてしまうと、悪い印象を与えてしまうかもしれません。
新しい目標に向かって退職することを伝え、前向きな別れ方をするのが理想です。
結婚や子育てが理由の場合
プライベートな事情は、上司も言及しにくいため、理由をそのまま伝えましょう。
とくに子育てや介護が理由などの場合「仕事と家庭のバランスを考えた結果」とくわえると、円満に話が進みやすくなります。
身体的・精神的にきつい場合
体調を理由にする場合、具体的に伝えすぎると「じゃあ〇〇を減らそう」と引き止められる可能性があります。
おすすめの伝え方は「体調管理のために一度リセットする時間を作りたい」です。
こう伝えれば、上司も無理に引き止めることはしにくくなります。
無理を続けると健康を損なう可能性もあるため、自分を守るためにも遠慮せずに伝えましょう。
看護師の退職はいつ言う?退職の切り出し方のコツとは
上司にスムーズに伝えるためには、落ち着いた環境で、適切な方法で話すことがポイントです。
具体的なコツを紹介します。
面談のときに切り出す
定期的な面談や評価面談の機会を利用すると、自然な流れで退職を切り出せます。
面談はキャリアや今後の方向性について話す場でもあるため、退職の意向を伝えても違和感がありません。
この場を活用する看護師も多いことから、上司もある程度心の準備ができていることがほとんどです。
あらかじめ約束を取り付ける
「個人的な相談があるのですが、お時間をいただけますか?」と事前に上司にアポイントメントを取りましょう。
前もって約束しておくと、落ち着いた環境でしっかり話せます。
上司が忙しくない時間を選べば、スムーズに相談できることもメリットです。
業務が忙しくない時間に声をかける
業務が落ち着いている時間帯を選んで声をかけるのも重要です。
たとえば、休憩時間や勤務終わりの時間帯を狙うと、上司も話を聞きやすくなります。
忙しい時間に突然話すと、十分に聞いてもらえない可能性があるため、タイミングを見極めましょう。
看護師が円満に退職をするために大切なこと
看護師がスムーズに退職するには、以下のコツをおさえて意向を伝えましょう。
- 感謝の気持ちを忘れずに伝える
- 退職理由を簡潔かつ明確に説明する
- 引き継ぎや残りの勤務について協力的な姿勢を示す
- 退職日の希望を伝え、調整の余地があることを示す
一般的に、退職を伝えてから最低でも1ヵ月は勤務を続けることになります。
できるだけ後ろめたさを感じることなく、前向きな気持ちで働けるよう意識しましょう。
看護師が退職を伝えたあとの職場の反応|体験談を紹介
退職を伝えたあとの職場の反応はさまざまです。
上司から「やめないでほしい」と引き止められることも珍しくなく、なかには顔を合わせるたびに説得されたという体験談もあります。
また、同僚の反応も職場の雰囲気によって異なります。
自分が辞めることで周囲に負担をかけるのではと気にする方もいますが、退職することはどの職場でも避けられません。
否定的な意見を言う方もいるかもしれませんが、必要以上に気にせず、流されない心を持ちましょう。
看護師が退職を言いにくい場合の対処法
「退職を切り出せない」と感じる看護師の方も少なくありません。
そんなときは、以下で紹介する方法を試してみるとよいでしょう。
信頼できる人からアドバイスを受ける
退職経験のある同僚や先輩、すでに退職した方に相談することで、実際にどのように退職を伝えたのか、どのような流れで進んだのかを把握できます。
ただし、誰にでも相談してしまうと、退職の話が噂として広まる可能性があるため注意が必要です。
相談相手は、客観的にアドバイスできる信頼の厚い方に限定しましょう。
医療や看護師向けの転職エージェントに相談する
退職の切り出し方に悩んでいる場合は、医療や看護師専門の転職エージェントに相談するのも一つの方法です。
看護師向けのエージェントなら、個人の状況に応じた退職の進め方を具体的にアドバイスしてくれます。
退職代行サービスのように直接交渉することはありませんが、これまでの経験をもとにスムーズに退職できる方法を検討してくれるでしょう。
また、転職エージェントならつぎの職場探しも並行してサポートしてくれるため、退職の準備と転職活動を同時に進められます。
忙しいなかでも希望に合う職場を見つけやすくなるため、新しい環境への移行がスムーズに進みます。
看護師の退職は言いづらい。頼りになる人に相談して円満退職を目指そう!
退職をスムーズに進めるためには、事前の準備と伝え方が重要です。
退職理由はポジティブに伝え、引き継ぎの計画を立てることで、円滑に退職しやすくなります。
また、退職意思を伝える適切なタイミングを選び、上司に落ち着いて相談できる環境を整えることも大切です。
退職の切り出しに困ったら、信頼できるまわりの方や転職エージェントのスタッフに相談すると、よい方向性に導いてくれるかもしれません。
感謝の気持ちを忘れずに伝え、協力的な姿勢を示すことで、職場と良好な関係を維持しつつ、新たなステップへ進めるでしょう。