看護師の転職に必要な手続きと書類を離職期間別に解説!次の入職までの流れは?

「転職することは決めたけれど、手続きは何が必要なの?」

転職することを心に決めたものの、このように悩む看護師も多いのではないでしょうか。

退職願の提出や保険の切り替え、必要な書類の準備など、転職には想像以上に多くの手続きが発生します。

しかも、離職期間の有無や長さによって必要な手続きが変わるため、うっかり抜け漏れてしまうことも少なくありません。

この記事では、看護師が転職する際に必要となる手続きや書類を「離職期間の有無別」にわかりやすく解説します。

事前に流れを把握することで、焦らずスムーズな転職を実現できます。

ぜひ参考にして、不安のない新しいスタートを切りましょう。

看護師の転職に必要な手続きと書類【離職期間別】

看護師の転職手続きは、退職から新しい職場に勤めるまでの離職期間の有無で変わります。

ここでは、それぞれのケースで必要となる手続きと書類について見ていきましょう。

離職期間がない場合(退職後すぐに次の職場へ入職)

退職後すぐに次の職場へ入職する場合、社会保険の移行がおもな手続きとなります。

新しい職場で加入手続きを進めてくれることがほとんどなので、役所やハローワークなどに出向く必要はほとんどありません。

次の職場には、以下の書類を提出するのが一般的です。

  • 離職票
  • 年金手帳
  • 雇用保険被保険者証
  • 源泉徴収票
  • 健康診断書
  • 住民票記載事項証明書または住民票
  • 扶養控除等(異動)申告書
  • 身元保証書
  • 看護師免許証のコピー(または提示)

転職先によって必要書類は異なるため、事前に確認しておきましょう。

離職期間がある場合(退職後、次の入職までに期間が空く)

離職期間が空く場合は、離職期間がない場合と比べて自身でおこなう手続きが多くなります。

おもな内容は以下のとおりです。

  • 健康保険の切り替え(退職後14日以内)
  • 年金の切り替え(退職後14日以内)
  • 雇用保険の手続き(離職期間中に仕事を探す場合)
  • 住民税の支払い

新しい職場への提出書類は、離職期間がないときのものとほとんど同じですが、国民健康保険の資格喪失証明書と、国民年金保険料の納付証明書を求められる場合があります。

参考:健康保険について|大阪労働局
参考:退職後の年金手続きガイド|日本年金機構

看護師の転職手続きを詳しく解説

看護師の転職でとくに重要となる手続きについて、さらに詳しく解説します。

ある程度の流れをつかんでおくと、実際の手続きがスムーズに進みます。

看護師免許の変更・更新

結婚をはじめとしたライフイベントによって氏名が変わった場合、看護師免許の名義変更が必要です。

手続きは医師会・看護協会が窓口になっている場合もありますが、基本的に住民票がある都道府県の保健所でおこないます

変更を怠ると、新しい職場で不都合が生じる可能性もあるため、忘れずに手続きしましょう。

健康保険の切り替え

退職すると、これまで加入していた会社の健康保険から脱退することになり、切り替えが必要です。

おもな選択肢は以下の3つで、新しい職場に入職するまでの期間をどうするかがポイントです。

健康保険の切り替え方法説明
国民健康保険への加入・退職後の無職期間がある場合にもっとも一般的な選択肢で、住んでいる市区町村役場で手続きをする
・保険料は前年の所得に応じて算出される
任意継続被保険者制度の利用・退職した会社の健康保険を最長2年間継続できる
・退職後20日以内と申請期限がある
・保険料は全額自己負担だが、在職中と同じ給付を受けられる
家族の扶養に入る・配偶者や親が加入している健康保険の扶養条件(年収など)を満たす場合は、扶養に入れる

自身のライフスタイルや、離職期間の長さに合わせて最適な選択肢を選びましょう。

年金・雇用保険の手続き

健康保険と同様に、退職時には年金と雇用保険の手続きも必要です。

手続きの種類内容備考
年金離職期間がある場合は厚生年金から国民年金への切り替えが必要である市区町村役場で手続きする
雇用保険失業給付の受給資格がある場合は、再就職までの生活費をサポートしてもらえるハローワークで手続きをおこない、受給資格の有無を確認する

いずれも離職期間がある場合の手続きです。

忘れずにおこないましょう。

失業保険(失業給付金)の受給申請

失業保険は、次の仕事が見つかるまでの大切な生活費になります。

受給を検討しているなら、退職後できるだけ早くハローワークに相談に行きましょう

失業保険を受け取るには、以下の条件を満たす必要があります。

  • ハローワークで求職の申し込みをしていること
  • 雇用保険の加入期間が「離職日以前2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算して12ヶ月以上」あること

失業保険がもらえる期間は、離職理由をはじめとする、いくつかの項目から総合的に判断されます。

とくに会社都合(倒産、解雇など)での退職の場合は、手厚い給付を受けられる可能性が高いです。

給付までの流れは、以下を参考にしてください。

失業保険給付までの流れくわしい内容
離職票の受け取り前職の会社から退職後10日〜2週間程度で「雇用保険被保険者離職票」が発行される
ハローワークでの求職申し込み・受給資格の決定住所地を管轄するハローワークへ離職票など必要書類を持参し、求職の申し込みと受給資格の決定手続きをおこなう
待期期間受給資格決定日から7日間の待期期間がある
この期間は失業保険が支給されない
給付制限期間(自己都合退職の場合)自己都合退職の場合は、待期期間満了後、原則2ヶ月間の給付制限期間があり、この間も支給されない
雇用保険説明会への参加説明会の日程が通知されたら必ず参加する
失業の認定原則4週間に一度、失業状態であることをハローワークで認定してもらう必要があり、認定されればその期間の失業保険が支給される
求職活動の実績認定を受けるためには、原則2回以上の求職活動実績が必要である

手続きで不明な点があれば、ハローワークの担当者に直接確認することをおすすめします。

参考:基本手当について|ハローワークインターネットサービス

看護師が退職前におこなうべきこと

転職活動をスムーズに進めるためには、現在の職場を円満に退職することも大切です。

ここでは、退職前におこなうべきことを解説します。

有給休暇の取得申請

有給休暇は、労働者に与えられた大切な権利です。

退職時に残っている有給休暇は、基本的に消化できます。

スムーズに取得するため、有給休暇の消化希望日も合わせて早めに上司に相談する、有給消化で業務に支障がでないよう引き継ぎ期間を十分に確保するといった対応をしましょう。

仕事内容の引き継ぎ

円満退職のカギは、丁寧な引き継ぎにあるといっても過言ではありません。

おもに、以下のポイントを意識して引き継ぎをおこないましょう。

引き継ぎのポイントくわしい内容
担当業務・タスクをリストアップする担当している業務、患者さんの情報、進行中のタスクなどをリストアップし、後任者がスムーズに業務を始められるように準備する
期間に余裕を持つ退職日までに十分に時間を確保し、後任者への説明や申し送り、質疑応答などを丁寧におこなう
感謝の気持ちを伝えるお世話になった同僚や上司に感謝の気持ちを伝えることで、良好な人間関係を維持できる

業務の引き継ぎは、次の職場での評価にもつながる大切なプロセスです。

退職後も業務がスムーズに回るよう、最大限配慮しましょう。

看護師が新しい転職先に入社するまでの流れ

転職活動は、大きく分けて「自己分析」「情報収集」「応募・選考」「内定承諾・退職準備」「入職準備」の5つのステップで進みます。

それぞれの段階でやるべきことを把握し、計画的に進めましょう。

転職の意思を固めて情報を集める

漠然とした不安を抱えたまま転職活動を進めるのは、希望通りの職場を見つける上で遠回りになりがちです。

まずは、なぜ転職したいのか、どんな働き方が理想なのかを考える自己分析から始めましょう

自己分析の詳しい方法は、以下の記事を参考にしてください。

看護師転職 自己分析 看護師転職では自己分析が成功のカギ!自己PRや志望動機への活かし方まで解説

自己分析で転職の軸が固まったら、次は情報収集です。

看護師専門の転職サイトやハローワーク、病院の公式採用ページなどを活用して、希望に合う求人を探しましょう。

応募書類を準備して選考に臨む

応募書類は、第一印象を左右する大切な要素です。

とくに履歴書と職務経歴書は、経験やスキル、そして入社への熱意を伝える重要なツールとなります。

志望動機やこれまでの経験を、具体的なエピソードを交えて記載すると、担当者もイメージしやすくなり好印象を与えられます。

書類選考を突破したら、いよいよ面接です。

面接では、人間性やコミュニケーション能力、そして看護師としての適性が評価されます。

「退職理由」「その病院を希望する理由」「強み・弱み」など、よく聞かれる質問への回答を事前に準備しておきましょう。

また、面接の最後に「何か質問はありますか?」と聞かれた際には、入社意欲や関心の高さをアピールする「逆質問」をするのがおすすめです。

効果的な逆質問で転職を成功させたい看護師は、以下の記事を参考にしてください。

内定承諾と円満退職の準備

内定をもらったからといって、すぐに承諾するのはNGです。

まずは、内定通知書の内容を確認し、なかでも以下の項目を重点的にチェックしましょう。

  • 給与
  • 勤務時間・休日
  • 福利厚生
  • 入職日

気になる点があれば、遠慮せず採用担当者や転職エージェントを通じて確認してください。

疑問を解消し納得したうえで内定を承諾することが、後悔のない転職につながります

内定を承諾したら、次は円満退職の準備に入ります。

勤務先の就業規則に記載された退職の手続きや通知期間を確認し、そのうえで直属の上司に口頭で伝えるのが基本です。

「どのタイミングで切り出せばいいの?」「何を言えばいいの?」と迷う看護師も多いはずです。

退職交渉のヒントをまとめた以下の記事も参考にしながら、トラブルのないスムーズな退職を目指しましょう。

新しい職場への入職準備

入職日が近づいたら、新しい職場での勤務に向けて準備を始めましょう。

提出書類や看護師免許証のコピー、制服・靴・筆記用具など、職場から指定された持ち物は漏れのないよう、何度か確認しながら進めてください。

とくに書類は、発行に時間がかかる場合もあるため、早めの対応が重要です。

また、初出勤の日には上司や同僚へのあいさつの場があります。

簡単な自己紹介を事前に考えておくと、落ち着いて臨めるでしょう。

看護師の転職手続きは早めの準備が吉!スムーズな転職を叶えよう

看護師の転職には、退職から入職までに必要な手続きや書類が数多くあります。

離職期間の有無によって準備内容が異なるため、事前の確認が欠かせません。

社会保険や年金、雇用保険の切り替えや、必要書類の取得、免許の名義変更など、細かい対応が必要です。

スムーズな転職を実現するには、できるだけ早めに全体の流れを把握し、準備を進めておくことが大切。

不安のない新たなスタートを切るためにも、余裕を持った行動を心がけましょう。

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