看護師への転職や再就職するために、病院やクリニックの見学に行くか迷っていませんか?
結論として、行ける場合は行ったほうが良いでしょう。
現場を見ると、職場の雰囲気や患者さんの状況、通勤のしやすさなど得られる情報がたくさんあります。
見学後に自分に合わないと思ったら、他の病院を探すきっかけにもなるでしょう。
この記事を読むと、病院見学に行くメリットやマナー、気をつけるポイントが分かるのでぜひ参考にしてください。
看護師の転職で病院見学はした方がいい?
給料や待遇などの条件だけで就職先を決めると、実際に通ってみた時に思ったより違うといったケースもあります。
病院見学に行くと、どんな情報が得られるか見ていきましょう。
病院の立地や通いやすさを知る
通勤に時間がかかると、それだけでストレスになります。
体力が求められる看護師にとって、通勤が短くて通いやすいのは、働きやすさにつながります。
実際に病院までの通勤ルートに足を運んでみないと、わからないこともたくさんあるでしょう。
特に知らない土地や夜道が暗い時は、駅まで女性1人で歩くのは怖いかもしれません。
駅近と書いてあっても、坂の上に病院があり、出勤するのが大変なケースもあります。
職員の雰囲気を見れる
働いている職員が、イライラしていたり、慌ただしくしている様子がないか、看護師や事務員の状況を確認しましょう。
余裕がない病院だと、看護師が廊下を走っていたり、点滴ポンプや処置をした医療器具がそのまま放置されていたりすることがあります。
その場合、忙しくて人手が足りていない可能性も。
ナースステーションを見る時は片付けができているか、書類や器具が乱雑に置かれていたり、ゴミ箱が溢れたりしていないか見ておきましょう。
整理整頓が行き届いていない職場だと、ミスが起こりやすいため、安全面に不安があります。
設備や患者さんの状態を確認できる
設備や患者さんの状態も見るポイントです。
設備が古い病院だと、和式トイレや紙カルテを使用しているところもあります。
トイレや浴槽が患者さんにとって使いやすいように配慮されているなら、看護のしやすさにもつながります。
経営状況が良く、設備に投資できる病院は、記録の手間を省けるように、最新の電子機器を導入し、ナースコールも電子標識が標準です。
生産性も上がりやすく、さらに新しいものを取り入れる、といった好循環にもなりやすいため、病院見学時に確認してみましょう。
また、ナースステーションに見守りを必要とする患者さんがいる場合は、重症度や看護師の対応も確認できるでしょう。
病院見学の申し込み方法
病院に見学を申し込む際は、主に3つの方法があります。
どの方法を選んでも問題ありませんが、候補日を数日決めて、余裕を持って見学の申し込みをしましょう。
メールで申し込む
病院のホームページに求人の案内が掲載されており、そこにメールアドレスもあります。
行ってみたい病院が求人を行っているか確認してから、メールで応募すると良いでしょう。
求人情報を掲載していなくても、見学可能か聞いてみると対応してくれる病院もあります。
電話で申し込む
病院のホームページで求人情報があるか確認してから、問い合わせをしましょう。
電話の場合、相手に時間を取らせて迷惑になる可能性があります。
外来が忙しく、人手が少ない11時〜13時半頃と16時以降の連絡はやめておくと良いでしょう。
もし電話で病院見学を申し込むなら、メモを取れるようにしてからのほうが安心です。
転職サイトを通じて申し込む
転職サイトに登録すると、たくさんの求人を紹介してもらえます。
紹介されたものの中で、見学を希望したい病院を担当者に伝えます。
担当者がやりとりをしてくれるため、自分で申し込むより効率良く見学の調整ができるでしょう。
病院見学までにやること
見学に行く病院は、就職する可能性があるため、相手に良い印象を与えられるよう準備して臨むことが大切です。
やることや準備するもので注意するポイントを見ていきましょう。
事前に基本情報は把握しておく
病院のホームページや募集要項は、必ず確認しておく必要があります。
相手は忙しい時間を割いて、案内してくれます。
看護師として勤めた時の待遇面や給料など、基本的な内容は先方から説明してくれるケースが多いため、質問はタイミングを見て行うようにしましょう。
体調管理をする
病院の見学日に体調不良が原因で休むと、先方に迷惑をかけます。
病院見学のために、看護部長といった多忙な管理職の人達が、スケジュールを調整してくれています。
そのため、見学当日に急なキャンセルとならないよう体調を整えておきましょう。
持ち物の準備をする
持ち物はメモ・ボールペン・印鑑を用意し、マスクは必ず着けて行きましょう。
先方に持ち物の指示がないか、確認しておくと安心です。
履歴書は見学のみなら不要ですが、面接も一緒に行う場合もあるので持参するのがおすすめ。
また、聞いておきたいことがあれば、あらかじめメモ用紙などに書いて持参しましょう。
スマホのメモ機能は心証が良くないため、紙のほうが無難です。
見学と面接がセットで行われる場合もあるため、志望動機などを聞かれてもすぐに答えられるよう準備しておきましょう。
看護師転職で病院見学する際のチェックポイント
外来と病棟を見て回った後に、担当者から勤務体制や福利厚生の説明を受けます。
最後に質疑応答があり、場合によってはそのまま面接となります。
そのため病院見学は、1時間もない場合が多いでしょう。
ここでは、病院を見学する時に見るポイントを紹介します。
看護部長や師長の言動
看護部長や師長は、短期間で変わることもあれば、数年同じ人が継続して担当する場合もあります。
見学を担当してくれた人が上司になる可能性があるため、質問があるならまとめて聞いてみましょう。
一回の関わりで、その人を判断できません。
しかし、忙しくて丁寧に対応してくれない場合は、就職後も大切にしてくれない可能性があります。
働く職員の雰囲気
ナースコールや、心電図モニターのアラームが鳴り続けても、誰も対応していない場合は人手不足の可能性があります。
アラームを放置している職場では、危機管理が薄いケースも考えられます。
スタッフの言動が苛立っていたり、カルテの上が散らかっていたりする場合も、余裕がない可能性があるでしょう。
看護の仕事量は膨大なため、協力し合う風土が必要です。
スタッフ同士が声を掛け合いながら、チームワークが取れている様子が見れると、良い職場と言えるでしょう。
設備の状況
患者さんにとって清潔で過ごしやすい環境か、ナースが働きやすい環境か、といった2点を確認しましょう。
電子機器は、すぐにカルテに取り込めるよう、データが飛ぶように内蔵された体温計などを使っているところもあります。
新しい電子機器を使うと、看護師の負担軽減につながるため、積極的に設備に投資している病院かどうか、確認すると良いでしょう。
患者さんの状況
部署を見学する時は、患者さんのベッドサイドに行くのは難しいため、遠くから覗く程度になります。
ベッド周りが整理整頓されているか、点滴などの置き場所が危険じゃないか、看護師としての視点で見てみましょう。
乱雑な様子であれば、スタッフが忙しくて手が回っていない可能性も。
入院や退院が多い部署では、患者さんの入れ替わりが多くなります。
看護方式も部署によって異なるため、確認しましょう。
病院見学時のマナー
看護師転職の病院見学で気をつけるポイントがいくつかあります。
服装や避けたほうが良い質問、見学後のマナーについて確認しておきましょう。
見学時の服装
服装に決まりはありませんが、できるだけスーツで見学に行くことをおすすめします。
ピアスなどのアクセサリーや、明るすぎる髪色も避けたほうが良いでしょう。
見学後に、看護部長と面接をする場合があるためです。
ヒールの音が響くタイプの靴も、やめたほうが良いでしょう。
受付は何分前に行くべきか
案内する人は、業務の合間に見学者の担当をするため、早すぎると急かしているようで、相手の負担となりかねません。
約束時間の10分前位に、受付に声をかけると良いでしょう。
大きな病院の受付は、分かりにくい場合もあるため、病院には見学時間の30分前に着くと安心です。
受付の挨拶の例文
病院に到着したら、まず総合受付を探します。
見学の希望を伝えた時に、指定された場所があれば、そちらに声をかけるようにしましょう。
受付に声をかける場合の例文
お忙しいところ、恐れ入ります。病院見学で参りました、〇〇と申します。
担当者の方(名前が分かっていれば、名前を伝える)に取次をよろしくお願いいたします。
スタッフとすれ違った時の挨拶
スタッフがいたら「こんにちは」と挨拶すると良いでしょう。
「お疲れ様です」と言うと、身内に挨拶する形になるため、使わないほうが無難です。
働いている人は仕事に集中しており、見学者がいても気にしていないことがあるため、会釈でも問題ありません。
病院見学のNGの質問
NGの質問は「ホームページに記載された文言・待遇面に関する踏み込んだもの・離職率など相手が答えにくい内容」です。
記載されている内容を聞くと、熱意がないと感じられる可能性も。
待遇面は「有給休暇の取得率が高い・誕生日は長期休暇が取れるように配慮している」など、アピールポイントとして先方から伝えてくる場合があります。
待遇面の話があれば、質問したいところを聞いてみると良いでしょう。
ただし、相手の立場に立って、答えにくい質問は避けましょう。
見学後のお礼と就職を断る場合
見学後は、当日中にお礼のメールを送ります。
転職サイトを通じて見学した場合は、転職サポートの担当者を介してお礼を伝えると良いでしょう。
見学時に面接を一緒にした場合は期日を確認して、就職の意思が決まり次第先方に伝えます。
検討した結果断る場合は、早めにメールで伝えるようにしましょう。
見学のみで、先方から何も言われていない場合は、就職の意思はないと伝える必要はありません。
看護師転職の決め手は病院見学!病院を比較して自分にあう場所を見つけよう
看護師転職で病院見学をすると、働くスタッフの雰囲気や、患者さんの様子といった情報が得られ、自分が働くところを想像しやすくなります。
可能なら比較するために、2カ所以上は見学しましょう。
実際に行ってみると、設備が古かったり、通いにくかったりと、働き続けるには難しいと感じる場合も。
病院は経営困難なところも多く、設備投資ができていないなら、今後も人材確保が難しく、離職者がさらに増えるといった状況になりかねません。
立地や患者さんの状態、設備面などさまざまな情報を比べて、自分にあう場所を見つけましょう。