「子どもの熱で休んでばかりで肩身が狭い。いい職場ないかな?」
「子育てを機に転職を考えてる」
ママになったことをきっかけに、働きやすい職場への転職を考える看護師の方もいらっしゃるはずです。
子どものことで急に休むとなると「申し訳ない」という気持ちも強くなるでしょう。
ママナースが働きやすい職場には、いくつかの特徴があります。
この記事では、ママナースが働きやすい職場の特徴やおすすめの職場、勤務形態までくわしく解説します。
子どもについても相談できる理解のある職場で働きたい方は、ぜひ参考にしてください。
ママナースが働きやすい職場の特徴
ママナースが働きやすい職場には、以下の特徴があります。
- 残業が少ない
- 休みがとりやすい
- 託児所がある
- 夜勤やオンコール体制がない
- 子育て中のママナースが多い
一つずつ解説します。
残業が少ない
子育てと仕事の両立を目指すママナースにとって、残業が少ない職場は大きな助けとなります。
保育園や学童のお迎え、夕食の準備など、仕事が終わってからもママにはやらなければならないことがたくさんあります。
残業が多い職場では、家事や育児にしわ寄せがいき、ストレスがたまる原因となりがちです。
そのため、残業が少ない職場を選んだほうが身体的・精神的な負担が軽く済むでしょう。
休みがとりやすい
小さい子どもがいると、急な発熱や体調不良で予定外の休みが必要になることも多いです。
看病中にママ自身が体調を崩してしまうこともめずらしくありません。
そのため、急な欠員に対応できるシフト制や、気軽に有給が取れる環境がある職場は、ママナースにとって心強いでしょう。
また、土日祝日や子ども行事に合わせて休みがとれれば、家族との時間も大切にできます。
託児所がある
医療機関や施設によっては、職員専用の託児所を運営していることがあります。
なかには24時間対応の託児所もあり、夜勤が避けられないママナースにとって心強い選択肢となります。
子どもが近くにいる安心感を持ちながら仕事に集中できるため、職場と家庭の両立が可能です。
ただし、託児所の利用は対象年齢や条件が限られる場合もあるため、利用前に確認することが大切です。
夜勤やオンコール体制がない
育児と仕事を両立するには、夜勤やオンコール体制のない職場を選びましょう。
夜勤やオンコール体制が必要な職場は、ママナースにとって負担が大きくなりやすいです。
夜勤中は、子どもの世話をほかの家族や託児所などに頼らざるを得ず、オンコールでは「いつ呼び出されるかわからない」という精神的負担がつきまといます。
とくに小さい子どもがいる方は、急な呼び出しに対応できないことも多いです。
そのため、夜勤やオンコールのない職場がママナースにとって理想的と言えます。
夜勤がどうしても避けられず、子どもが就学前である場合は「育児介護休業法」にもとづき、夜勤を免除してもらえる可能性があります。
育児休暇取得後に夜勤のある職場に復帰する場合は、まず相談してみましょう。
子育て中のママナースが多い
同じように子育てをしているママナースが多い職場では、子どもの急な体調不良で早退・欠勤となっても「お互いさま」と理解を得やすい雰囲気があります。
子育ての大変さを共有できる仲間がいることで、孤独感を感じにくく、精神的にも安心して働けるでしょう。
また、仕事や育児に関する情報交換ができることもメリットです。
子育て中のママが多い職場を選ぶことは、働きやすさだけにとどまらず、心の支えにもつながります。
ママナースが働きやすい職場4選
ママナースが働きやすい職場は、以下の4つです。
- クリニック・病院の外来
- 訪問看護ステーション
- デイサービス・デイケア
- 指定された派遣先|保育園・介護施設など
それぞれの職場の特徴を一緒に見ていきましょう。
1.クリニック・病院の外来
クリニックや病院の外来は、日勤のみで働けることが多く、土日祝日が休みの場合もあります。
とくにクリニックでは、土曜日に開院しているところもあるものの、その分平日に休みを設けているため、リフレッシュの時間が確保しやすい点が魅力です。
病院の外来勤務であれば、子育てが落ち着いたあとに病棟へ復帰しやすいというメリットもあります。
ただし、患者さんの数によっては残業が発生することも少なくないため、残業時間について事前に確認しておくとよいでしょう。
2.訪問看護ステーション
訪問看護ステーションの勤務は、基本的に日勤のみです。
そのうえ土日祝日休みの職場が多く、残業も少ない傾向であるため、育児との両立がしやすい環境と言えます。
ただし、多くの訪問看護ステーションではオンコール体制を取っているため、夜間や休日に対応しなければならない可能性が高いです。
訪問看護ステーションへの転職を考える際は、オンコール対応頻度や、ひと月の担当回数について事前に情報を得ておきましょう。
どうしてもオンコール対応が難しい場合は、一度相談してみてください。
3.デイサービス・デイケア
デイサービスやデイケアなどの通所施設の看護師は、ママナースにとって働きやすい職場の一つです。
というのも、夜勤やオンコールがなく土日祝日が休みであることが多いためです。
カレンダー通りの休みであれば、子どもの休みに合わせられるというメリットもあります。
また、営業時間内にほとんどの業務を終えられるため、残業が少ないことも魅力です。
ただし、夜勤やオンコール体制などの負担が少ない分、給与はほかの施設より低いと思っておきましょう。
給与を多く得ることより、子どもとの時間を優先したいママナースにとっては、魅力的な職場と言えます。
4.指定された派遣先|保育園・介護施設など
自分の好きなタイミングで働ける「派遣看護師」は、体調を崩しやすい小さな子どもがいるママナースに向いています。
派遣看護師に登録しておけば、自分に合った勤務地や勤務形態を選べるため、子どもの体調に合わせて勤務を調整しやすいメリットがあります。
派遣看護師の働く具体的な場所は、以下のとおりです。
- 保育園
- 介護施設
- 企業
- 病院・クリニック
- 健診センター
単発や短期での就業も可能なため、働く場所を迷っている場合は派遣看護師として働きはじめるのも方法の一つです。
看護師ママにおすすめの働き方・勤務形態
ママナースには、以下の働き方や雇用形態がおすすめです。
- 時短勤務
- 日勤のみの常勤
- パート・アルバイト
- 派遣看護師
これらの働き方は、子どもとの時間を大切にしつつ、看護師としてのやりがいも維持しやすいです。
それぞれのメリットと注意点をくわしく見ていきましょう。
時短勤務
幼い子どもがいる、または育児に多くの時間を割きたいママナースには、時短勤務ができる職場がおすすめです。
時短勤務 | |
メリット | ・育児と仕事の両立がしやすい・子どもの送迎や家事の時間を確保しやすい |
注意点 | ・給与が減少する可能性があり、家計への影響を考慮する必要がある・時短勤務制度が適用されない場合もある |
時短勤務を希望する場合は、事前に職場の制度を確認し、自分に合った環境を選びましょう。
日勤のみの常勤
日勤のみの常勤職は、夜勤や変則勤務がないため、子育てと両立しやすいことがメリットです。
日勤のみの常勤 | |
メリット | ・規則正しい生活リズムを保てる・子どもの生活リズムに合わせやすい・安定した収入を得られる |
注意点 | ・夜勤手当がない分、病棟勤務の看護師より給与が低くなる可能性がある・残業が発生することもある |
家族との時間を大切にしながら安定した収入を確保したいママナースは、日勤のみの常勤で働くことをおすすめします。
パート・アルバイト
育児休暇から復帰するときに「少しずつ仕事に慣れたい」と考える方には、パートやアルバイトが向いています。
より柔軟な勤務時間や日数で働け、育児との両立がしやすいです。
パート・アルバイト | |
メリット | ・勤務時間や日数を柔軟に調整できる・子どもの成長に合わせて働き方を変更できる |
注意点 | ・時給制がほとんどで収入が不安定になりやすい・キャリアアップの機会が限られる場合もある |
子どもが小さいうちは短時間勤務、ある程度大きくなったら勤務時間を増やすなど、子どもの状況やライフスタイルに合わせた働き方が可能です。
派遣看護師
派遣看護師は、勤務先や勤務時間の選択肢が豊富で、自分のスケジュールに合わせて働けます。
派遣看護師 | |
メリット | ・働く時間や場所を自由に選べる・さまざまな職場を体験できる・高時給の案件も少なくない |
注意点 | ・勤務先が毎回変わる可能性があり、環境への適応力が求められる・長期的な雇用の安定性は低い |
どの職場が自身に合うか見極めたい方や、短期間で多様な経験を積みたい方に、派遣看護師は向いているでしょう。
看護師ママが働きやすくなるための制度
看護師ママが働きやすい職場では、以下の制度が活用されています。
- 夜勤の制限
- 残業の免除
- 短時間(時短)勤務制度
- 看護休暇制度
ただし、子どもの年齢制限や適用条件が限られる場合もあります。
それぞれの制度の特徴を知っておきましょう。
夜勤の制限
子どもが未就学児である場合に、午後10時から午前5時の間の夜勤を免除してもらうよう申請できる制度です。
ただし、以下のような場合は適用されない可能性があるため、就業先に確認しましょう。
- 雇用期間が1年未満である場合
- 1週間の所定労働日数が2日以下の場合
夜勤による不規則な生活は、育児で疲れたからだにさらなる負担を与える可能性があります。
給与が減少するデメリットはあるものの、仕事と育児の両立を無理なく進めるための選択肢として検討してみてください。
残業の免除
残業の免除は、3歳未満の子どもを育てている場合に、所定労働時間を超える残業を免除してもらえる制度です。
所定外労働時間とは、企業が定めた通常の労働時間のことを指します。
たとえば、9時から18時が所定労働時間の場合、それ以外の残業を免除してもらうことが可能です。
ただし、夜勤の制限と同じ条件で適応とならない場合もあるので職場に確認しましょう。
看護師の仕事は、患者さんの命に直結するため、後回しにできない業務が多いのが現状です。
理解が得られない、どうしても残業が避けられないなどでワークライフバランスがくずれてしまいそうなら、転職を考えるのも方法の一つです。
短時間(時短)勤務制度
短時間勤務制度とは、正社員として雇用されながらも、通常の正社員よりも勤務時間を短縮できる仕組みです。
子どもが3歳未満の場合に、1日の所定労働時間を原則6時間にできます。
育児介護休業法では3歳未満としているものの、最長利用期間は企業によって異なります。
なかには子どもがいるだけで時短勤務が認められる職場もありますので、制度の整備だけでなく、いつまで適用となるかまで聞いておくとよいでしょう。
看護休暇制度
子どもの病気やけがで看病が必要なときには「看護休暇制度」を利用できます。
小学校入学前の子どもがいる場合、1年間(毎年4月1日から翌年3月31日)に最大5日間の休暇を取得できる制度です。
ただし、以下の条件に該当する場合、利用が制限されることがあります。
- 雇用期間が6か月未満である
- 1週間あたりの所定労働日数が2日以下である
子どもの看護休暇は1時間単位で取得することが可能で、柔軟に調整できる点が特徴です。
しかし、看護休暇中の給与に関しては法律に規定がないため、支給されるかどうかは職場の判断にゆだねられます。
多くの場合で無給となるため、給与確保のためにまずは有給休暇を優先するケースもあります。
働く前に確認しておくと、いざというときに安心です。
ママナースが働きやすい職場を見つける方法
ママナースが気兼ねなく働ける職場を見つけるには、以下の方法がおすすめです。
- 先輩ママナースに話を聞く
- 看護師転職サイトを活用する
- 転職エージェントを利用する
- 派遣会社に登録する
身近なところからサイト利用まで、方法はさまざまです。
自身に合った方法で転職活動をおこないましょう。
先輩ママナースに話を聞く
同じ職場の同僚や先輩、別の施設で働く友人など、ママナースのリアルな情報を集めましょう。
実際の働き方や職場環境を知れるため、より現実的に判断しやすくなります。
人には聞きづらい、同じ境遇の人が近くにいないなどの場合は、SNSを中心に検索してみてください。
看護師転職サイトを活用する
転職サイトを利用すると、自分のペースで求人を探せます。
求人をみるときは、以下のポイントを確認しながら自分に合う職場を見つけましょう。
チェックポイント | 確かめる内容 |
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勤務時間と雇用形態 | ・シフト制、固定勤務制・夜勤やオンコール体制・柔軟な勤務形態(時短勤務、パートなど) |
勤務地 | ・自宅や預け先からの距離・通勤の利便性 |
福利厚生 | ・育児支援制度・保育施設の有無 |
職場環境 | ・スタッフの数・ママナースの存在 |
給与・手当 | ・基本給与、各種手当 |
教育体制 | ・ブランクのある看護師への対応・継続教育の有無、方法 |
休日・休暇 | ・有給休暇の取得状況(実績が好ましい)・年間休日数 |
すべての情報が求人票に載っているとは限りません。
もし気になることがあれば、直接問い合わせたり見学したりすると、確実な情報を得られます。
転職エージェントサイトを利用する
エージェントは、個々のニーズに合った求人を紹介し、職場のくわしい情報の提供や交渉のサポートをしてくれます。
求人には書ききれていない独自の情報を聞けるチャンスもあり、求人票やホームページからは読み取れない内部事情を知れるかもしれません。
ママナース向けの求人を多く扱うエージェントもあるため、より深い情報を得たい方におすすめです。
派遣会社に登録する
派遣会社に登録すると、希望に合った仕事の情報を得られます。
登録したからといってすぐに働く必要はなく、情報収集の一環として活用するのもおすすめです。
少しずつ仕事と育児の両立に慣れていきたいと考える方は、どんな仕事があるのか派遣会社のスタッフから情報収集をおこなうとよいでしょう。
ママナースが働きやすい職場はかならず見つかる!家庭と仕事を両立させよう
ママナースが働きやすい職場は、柔軟な勤務体制を設けていたり、育児に理解があったりと、いくつかの特徴があります。
記事で紹介した特徴や職場を参考に、どの領域なら自分の理想の働き方ができるか見極めてください。
育児と仕事が両立しやすい職場は、かならず見つかります。
焦らず、自分のペースで転職活動をおこないましょう。