「新卒看護師でもクリニックに転職できる?」
「病院の業務がきつい、夜勤のないクリニックに転職したい。」
このような悩みや疑問を抱える方もいるのではないでしょうか?
結論から言うと「看護師1年目でもクリニックへの転職は可能」ですが、事前に確認しておくべきポイントや対策があります。
この記事では、クリニック転職を成功させるための転職先の選び方や、転職成功の秘訣をご紹介。
クリニック転職のメリットやデメリットも詳しくご紹介するので、ぜひ最後までご覧ください!
看護師1年目でもクリニックへの転職は可能?
結論から言うと、看護師1年目でもクリニックへの転職は可能です。
ただし、ある程度の臨床経験を必要とする求人が多いので、応募できるクリニックは限られます。
ここでは、「臨床経験を問わないクリニック」と「臨床経験を条件にしているクリニック」の特徴について、それぞれ詳しく解説します。
臨床経験を問わないクリニックはある
臨床経験を問わない求人は、研修制度が整っている大規模なクリニックに多い傾向があります。
求人サイトでは、「未経験可」や「臨床経験不問」といった文言で募集されている求人が多く、新卒看護師でも募集しやすいのが特徴です。
未経験者でも応募可能な分、競争率が高くなりやすいため、履歴書や面接対策などの準備を入念に行う必要があります。
臨床経験3年以上を条件にしているクリニックが多い
多くのクリニックは「臨床経験3年以上」など、一定の看護経験を条件とする求人を出しています。
クリニックは常に看護師を募集しているわけではなく、スタッフの欠員が出た際に募集を行うケースがほとんどです。
そのため、即戦力としてすぐに看護業務をこなせる人材を求める傾向があります。
また、小規模なクリニックでは教育制度や環境が十分に整っておらず、新人看護師を募集すること自体が難しい場合が多いことも理由の1つでしょう。
看護師1年目でクリニックに転職するメリット
「土日や祝日の出勤がない」「基本的に夜勤がない」など、クリニック勤務には病棟看護師とは違う魅力がたくさんあります。
ここでは、看護師1年目でクリニックに転職するメリットを4つご紹介します。
病院独自の癖がついていない
看護師1年目は、特定の病院のやり方やルールに染まっていないのが特徴です。
一度身についてしまった癖やこだわりを修正するのは難しいものですが、1年目ならその心配もなく、新しい職場のルールにも馴染みやすいでしょう。
また、知識や経験が浅い分、先輩看護師のアドバイスや指導を素直に受け取れるため、結果として成長の機会が多くなるのも大きなメリットです。
生活リズムが崩れにくい
クリニック勤務の看護師は「日勤のみで、土日祝日が休み」といった、規則正しい働き方を実現できる点が魅力です。
特に、予約制のクリニックでは診療が予定通りに進むことが多く、突発的な業務が少ないため、残業時間も短くなりやすい傾向があります。
ただし、残業が多いクリニックや、夜勤のあるクリニックも一部存在するため、転職を考える際は事前に「勤務条件や労働環境」をチェックするのが大切です。
身体的な負担が少ない
病棟勤務の看護師は、トイレ介助や入浴介助などの負担の大きい業務が多く、常に忙しく動き回っていることも少なくありません。
これらの業務は、特に1年目の看護師には負担が大きく、身体の使い方に慣れていないと腰痛を引き起こすこともあります。
一方でクリニックには、患者さんの生活援助が必要になる場面はほとんどありません。
そのため、「体力に自信のない方」や「身体に負担をかけたくない方」にとって、無理なく働ける職場と言えるでしょう。
精神的負担が軽い
病棟は終末期看護や急変対応など、患者さんの命に関わる場面が多く、特に1年目看護師にとって精神的な負担が大きくなりがちです。
それに対してクリニックは、急性期や終末期患者が少なく、急変が起きるケースも少ないため、比較的落ち着いた環境で仕事ができるのが特徴。
1年目の看護師でも、無理なく知識や技術を学べる点が大きなメリットです。
看護師1年目でクリニックに転職するデメリット
多くのメリットがある「1年目のクリニック転職」ですが、注意すべきデメリットも存在します。
ここでは、1年目のクリニック転職で注意すべきポイントを4つご紹介します。
採用担当者にマイナスの印象を持たれやすい
看護師1年目で転職すると、「この人はすぐ辞めるタイプなのでは?」「うちでも長く続かないかも」と、採用担当者にマイナスの印象を持たれることがあります。
転職の際は、転職理由や将来のビジョンを明確にして、なるべくポジティブに伝えるよう心がけましょう。
また、クリニックで何を学びたいのか、どのようなキャリアを目指しているのか、具体的に話せるように準備しておくことも大切です。
求人が少ない・競争率が高い
クリニックは病院と比べてスタッフの人数が少なく、離職率も低いため、求人が出る数が限られています。
「夜勤や残業が少ない」といった働きやすさから応募が殺到し、競争が激しくなりがち。
そのため、求人情報をこまめにチェックしたり、履歴書の準備や面接対策をしっかり整えたりと、事前準備を入念に進めることが大切です。
病院ほど教育制度が整っていない
小規模なクリニックでは、教育プログラムや研修制度が整っていないことが多いです。
現場で直接学ぶOJTが中心となるため、分からないことは自分から質問するなど、積極的に学ぶ姿勢が求められます。
ただし、「実践的な看護技術を早期に身につけられる」という面もあるので、主体的に学ぶ意欲の高い人には、大きなデメリットにはならないでしょう。
収入が下がる可能性がある
クリニック勤務の看護師は、病院勤務の看護師と比べて給与水準が低い傾向があります。
日本看護協会の調査によると、平均給与は病院で386,046円、診療所で354,563円となっており、病院の方が約3万円高いです。
クリニックは「夜勤がない、残業が少ない」といった働きやすさがある反面、夜勤手当や残業手当が減るため、給料は少なくなりがち。
ただし、その分プライベートの時間を充実させられる点や、資格取得のための時間を確保できる点は、クリニック勤務ならではのメリットと言えるでしょう。
看護師1年目が転職先に選ぶべきクリニック
看護師1年目でクリニックに転職する場合、教育体制や診療体制など、事前に確認しておくべきポイントがいくつかあります。
ここでは、1年目でも安心して働けるクリニックの特徴について、詳しく解説します。
「未経験可」のクリニック
看護師1年目でクリニック転職をする場合は、募集要項に「未経験可」や「未経験歓迎」と記載されている求人に応募するべき。
なぜなら、「欠員補充のため即戦力になる人材を募集している」といった理由で求人を出している場合、新人看護師は応募しても面接にすら辿り着けないためです。
小規模なクリニックほど、未経験者を募集していない傾向があるので、応募する前に募集要項はよく確認しておきましょう。
教育体制が整っているクリニック
新人看護師が安心して働くためには、教育体制が整ったクリニックを探すことが大切です。
「未経験者歓迎」と記載されているからといって、教育体制が整っているとは限らないので、事前の確認は欠かせません。
看護師求人サイトには教育内容が簡単に記載されていることが多いので、まずはその情報をチェック。
より詳しい情報が必要な場合は、クリニックの公式サイトを確認してみましょう。
それでも不明点がある場合は、診療の忙しい時間帯を避けて電話で問い合わせるのがおすすめです。
予約制で診療しているクリニック
看護師1年目でクリニックに転職するなら、予約制のクリニックを選ぶのがおすすめです。
予約制のクリニックは、診療時間や患者数があらかじめ決まっているため、経験の浅い看護師でも落ち着いて業務をこなせます。
一方、非予約制のクリニックは、「患者数が日によって変動する」「飛び込みの対応が必要」など、業務が不規則になりがち。
臨機応変な対応に慣れていない新人看護師は、慌ただしさに負担を感じることも多くなるでしょう。
経験を活かせる診療科のクリニック
看護師1年目でクリニックに転職するなら、「短期間でも経験したことのある診療科」を選ぶのがおすすめです。
これまでに学んだ疾患の知識やスキルを活かして働けるため、患者さんの状態把握や業務の理解がスムーズになります。
また、基本的な業務に慣れるのが早くなる分、患者さんの顔や名前を覚えることにも集中でき、患者さんとの信頼関係の構築もしやすくなるでしょう。
クリニック転職を成功させるコツ
看護師1年目でクリニック転職を成功させるためには、「応募前の情報収集」と「計画的な行動」が大切。
どのように転職の準備を進めれば良いか把握しておくと、転職の成功率は格段に上がるでしょう。
ここでは、転職を成功させるポイントについて、それぞれ詳しく解説します。
転職サイトや転職エージェントを活用する
クリニックの求人は人気が高いため、一般には公開されていない「非公開求人」として扱われるケースが多いです。
そのため、転職サイトや転職エージェントなど、看護師転職サイトの活用は必須。
また、希望条件に合った求人をプロが探してくれるため、忙しい看護師でも効率よく転職活動を進められるメリットもあります。
「履歴書の添削」や「面接対策の支援」など、サポート体制も充実しているため、初めての転職でも安心して進められるでしょう。
転職先が決まるまで退職しない
転職をする際は、必ず転職先が決まってから、今の職場を退職するようにしましょう。
転職先が決まる前に退職すると、収入がない状態で転職活動を進めることになり、焦りから不本意な条件で転職を決めてしまう可能性があるためです。
一方で、転職先を決めたうえで退職を進めると、残りの勤務期間が気まずくなることもあるでしょう。
そんな時は、こちらの記事をぜひ参考にしてみてください。

看護師1年目でもクリニック転職は可能!しっかり対策して理想の働き方を実現しよう
冒頭で述べた通り、看護師1年目でもクリニックへの転職は可能です。
ただし、クリニック転職には「収入が下がる可能性」や「競争率の高さ」といったデメリットもあるため、情報収集と計画的な行動が大切。
また、経験の浅い新人看護師は、「未経験可」「教育体制が整っている」「予約制」などの条件を満たしたクリニックを選ぶと良いでしょう。
効率よく転職活動を進めるためには、非公開求人の紹介や面接対策のサポートが受けられる、転職サイトやエージェントの活用がおすすめです。
クリニック転職のメリット・デメリットを理解し、しっかりと事前準備を整えて、自分に合った職場で理想の働き方を実現しましょう!