口内炎は、子どもから年配の方まで幅広い世代で発症する可能性がありますが、軽度のものから重度のものまで症状はさまざま。
食事が辛いと感じるほど、痛みを伴う場合もあります。
この記事では、口内炎がしみない食べ物や、避けたほうがいい食事について解説します。
口内炎をしみさせないようにするには?
口内炎があるときは、少しの刺激でも痛みを感じる場合が多いです。
特に子どもは痛みに敏感なので、口内炎が原因で子どもがご飯を食べないこともあるでしょう。
こちらでは、口内炎をしみさせないようにするコツを解説します。
少しの工夫で痛みが和らぐので、口内炎が辛いときはぜひ試してみてくださいね。
人肌程度に冷ましてから食べる
熱い料理や飲み物は刺激となるため、口にすると痛みます。
熱々のものは人肌程度に冷まして食べるようにしましょう。
また、冷たすぎる場合もしみる可能性があります。
口内炎ができたときの食事は、温度に配慮することで痛みも軽減できるでしょう。
食べる前に水分をとる
口内が乾燥していると粘膜が唾液で保護できておらず、刺激に敏感な環境となります。
そのため、食事する前にまず水分補給して口内を湿らせておくことで、痛みを感じにくくなりますよ。
口内が乾燥状態だと、口内炎の治りも遅くなります。
口内炎でつらいときこそ、こまめに水分補給をするよう意識してくださいね。
おすすめは水やお茶、イオン飲料や生理食塩水や刺激の少ないスープなどです。
オレンジジュースなど酸味の強い飲み物は、しみる場合があるので避けるようにしましょう。
柔らかい食べ物を選ぶ
口内炎のときは食べ物を噛むことすら負担が大きいです。
なるべく咀嚼回数が少なく食べられる柔らかい食材を選ぶことで、痛みが辛いときも食べやすいでしょう。
食材が柔らかくなるまでしっかり煮込むことで、食べやすくなります。
痛みが強いときは、スープや茶わん蒸しなど噛まずに飲み込める食品がおすすめです。
薄味で刺激の少ない食事を摂る
口内炎の食事は刺激の少ないものが鉄則。
味の濃い料理や酸味・辛味の強いものは避けましょう。
特にお酢や柑橘類、こしょうなどの刺激物は、患部を刺激して症状の悪化を招く恐れがあります。
普段より薄味を意識しながら、酸味のある料理は控えるようにしてください。
口内炎がしみないおすすめの食べ物8選
口内炎で痛みが辛いときは食事も億劫になりがちです。
しかし、何も食べないままだと必要な栄養素も摂取できないので、症状の改善にも時間がかかります。
こちらでは、口内炎のときでも食べやすいおすすめの食べ物を紹介します。
プリン・ゼリー
ほとんど噛まずに飲み込めるプリンやゼリーは、口内炎が辛いときでも食べやすい食品です。
のどごしがよく、患部への刺激も最小限に抑えられるので、小さな子どもでも痛みを感じず食べられるでしょう。
また、口内炎のときに摂取したいビタミン入りのゼリーなら、栄養を補いながらエネルギー補給が可能です。
おかゆ
ご飯を柔らかく炊いたおかゆは、口内炎でも食べやすいです。
水分も同時に摂取できるので、脱水症予防としてもおすすめ。
たまごや野菜などと一緒に煮込んで、色んな栄養を取れるように工夫するとさらに良いでしょう。
ただし、梅干しや塩昆布などの塩味や酸味が強いものは、患部への刺激となるので避けてくださいね。
温野菜
口内炎のときは食べられるものが制限されるので、栄養が偏りがち。
そんな不足しがちな栄養を補いたいときにおすすめなのが、温野菜です。
人参や玉ねぎ、カボチャやブロッコリーなど、お好みの野菜を蒸し器で柔らかく蒸しましょう。
蒸し器がない人は電子レンジを使ってもできるので、ぜひ試してみてください。
スープ
具材によってたっぷりと栄養素が摂取できるスープは、口内炎のときにおすすめの食べ物。
水分もしっかりと摂取できるので、食事前の水分補給としても有効です。
おすすめなのは野菜だけでなく鶏肉、魚も入れた具沢山のスープ。
具材は細かくカットして柔らかくなるまでしっかり煮込めば、口内炎でも飲みやすいですよ。
うどん・素麺
うどんや素麺は、よく滑るので食べやすく、咀嚼回数も少なく済みます。
お出汁をたっぷりと効かせれば、薄味でも満足感が得られやすいですよ。
ただし、コシのある麺は咀嚼回数が増えるので、コシの少ない柔らかな麺を選ぶのがポイント。
トッピングには玉子やワカメなどを加えて、栄養バランスを整えるよう意識するといいでしょう。
煮込み料理
野菜や肉、魚などが柔らかい煮込み料理は、口内炎でも食べやすいです。
肉豆腐や肉じゃが、おでんなど刺激の少ない調味料や柔らかな食材を使用したものがおすすめ。
じっくりと時間をかけて食材に火を通すことでスープや出汁に素材の旨味が加わり、シンプルな味付でも美味しく食べられますよ。
あんかけ料理
あんかけ料理などのとろみのある食べ物は、口当たりが柔らかいので患部へ刺激を与えづらいです。
また、とろみがあると飲み込みやすく、痛みを感じても食べやすいですよ。
ただし、あんかけは熱を蓄えるため表面は冷めていても、中がまだ熱くなっている場合があります。
熱いまま食べると患部への刺激となるので、十分に冷ましてから食べるようにしましょう。
スムージー
痛みが強い場合におすすめなのがスムージー。
野菜や果物を使用したスムージーは、口内炎の回復を助けてくれる栄養素がたっぷりと含まれています。
スーパーやコンビニなどで購入できるので、外出時の栄養補給としてもおすすめです。
ただし、柑橘類ベースの酸味の強いものはしみる可能性があるので要注意。
口内炎の痛みの緩和にも期待できるりんごやバナナなどのスムージーがおすすめです。
口内炎のときに避ける食べ物
口内炎のときは患部に刺激を与えないことが重要です。
普段通りに食事をしていると、患部を刺激する可能性があり、回復の妨げにもなります。
こちらでは、口内炎のときに避けたほうがいい食べ物を紹介します。
熱いもの
熱い食べ物は痛みを感じやすいので要注意。
また患部に刺激を与えるため、口内炎の治りが遅くなる恐れもあります。
スープやあんかけ料理など熱い料理を食べる際は、十分に冷ましながら少量ずつ食べるようにしましょう。
味の濃いもの
味の濃いものは塩分や香辛料が多く含まれており、患部への刺激となります。
これらの刺激が強い食べ物は、痛みが強まる可能性があるだけでなく回復を遅らせることもあるのです。
ソースやケチャップをたっぷりと使用した焼きそばやお好み焼き、香辛料をたくさん含むカレーなどは避けたほうがいいでしょう。
炭酸水・アルコール
炭酸は患部に刺激を与えるため、炭酸飲料やアルコールは避けたほうがいいです。
また、ビールなどの炭酸を含むアルコール飲料は、分解に多くのビタミンを使用します。
口内炎の回復に効果的なビタミンをアルコールで消費するので、治りが悪くなる可能性もあります。
「アルコールを飲めば殺菌効果があるかも」と誤解する人も多いですが、むしろ悪化する可能性が高いので口内炎がある際は、避けるようにしましょう。
辛いもの
唐辛子やスパイスを大量に使用した辛いものも、口内炎のときは避けたほうがいいでしょう。
健康的な人が食べても辛いものを、口内炎がある状態で食べたらひどく痛みます。
口内炎があるときはタイ料理や韓国料理などの辛い調味料を使用した料理は避けるようにしましょう。
酸っぱいもの
お酢やレモンなどの柑橘類、梅干しといった酸っぱい食べ物は、患部を刺激して口内炎がしみる可能性が高いです。
また、柑橘系の飲み物やドレッシング、トマト、酢の物なども痛むので避けてください。
口内炎のときに摂取したい栄養素
口内炎は通常1~2週間程度で治ることがほとんど。
だからといって、自然に治るまで好きなものが食べられなかったり痛い思いをしたりするのは嫌ですよね。
こちらでは、口内炎を早く治したい人必見の、口内炎の回復を助けてくれる栄養素を紹介します。
ビタミンB2
口内炎の回復に積極的に摂取してほしいのが「ビタミンB2」。
粘膜や皮膚の修復を促す作用があり、肌悩みや口内炎を治すのにも効果的な栄養素です。
ビタミンB2を多く含む食材には、レバーや赤身肉・卵・きのこ類・牛乳・うなぎ・海苔、ワカメなどがあります。
ただし、ビタミンB2は体内に蓄積されにくいので、一度にたくさん摂取しても一定量以上は尿として排出されてしまいます。
サプリメントを利用しながら小まめに摂取するのがポイントです。
ビタミンB6
ビタミンB6はビタミンB2と同じく皮膚や粘膜の修復を促す作用をもつ栄養素。
水溶性ビタミンなので体内に蓄積しづらく、尿として排出されやすいので小まめな摂取が推奨されます。
鶏のササミ・バナナ・マグロ・カツオ・ニンニクなどがビタミンB6を多く含んでいます。
サプリメントを併用する場合は、1日の推奨量を守って過剰摂取とならないよう注意しましょう。
亜鉛
亜鉛は細胞の新陳代謝や免疫力の活性化に必要不可欠なミネラルで、ビタミンB2・B6と合わせて摂取してほしい栄養素。
ナッツ類や牛肉・豚肉・牡蠣などに多く含まれているので、口内炎を早く治したい人は積極的に食べるようにしましょう。
また、亜鉛不足は口腔内の免疫力低下の原因ともされています。
口内炎ができているときはもちろん、口内予防として日常的に摂取しておきたい栄養素です。
口内炎がしみないためには食べ物の工夫が大切!中々症状が治らないときは受診も検討しよう
口内炎がしみないようにするには、食べ物の工夫がポイント。
不規則な生活やストレスなど、さまざまな原因で発症する可能性があるので、ビタミンB2・B6、亜鉛を日頃から摂取して予防をすることが大切です。
口内炎は1~2週間ほどで治りますが、もし経過しても治らないなら、歯科などへの受診も検討しましょう。
痛みが強いときは食事が辛いと感じる場合もあります。
脱水症にならないよう水分をしっかりとりながら、この記事を参考に栄養素を摂取してくださいね。
- 口内炎をしみさせないようにするには食べ方の工夫も大切
- おかゆやうどん、スープなど低刺激で咀嚼の少ない食べ物がおすすめ
- 酸っぱいものや辛い物は口内炎の刺激になるので避けよう
- ビタミンB2・B2、亜鉛を小まめに摂取して回復を促そう