鼻水やくしゃみ、目のかゆみなどさまざまな症状が発症するアレルギー疾患の一種である花粉症。
花粉症によるつらいアレルギー症状は、対策することである程度緩和できます。
この記事では、花粉症の人が食べてはいけないものや症状緩和に効果があるとされている食べ物を紹介します。
花粉のピークが来る前にしっかりと対策して、快適な日常を過ごせるよう工夫しましょう。
花粉症の人が注意したい「口腔アレルギー症候群」とは?
花粉症の人が注意したいものに「口腔アレルギー症候群」があります。
口腔アレルギー症候群とは、果物や野菜を摂取したときに口腔内喉がしびれたり、喉が詰まった感覚になったりする食物アレルギーの一種です。
これは、花粉由来のアレルゲンと果物や生野菜の成分の一部が非常に似ている構造をしているために引き起こされます。
そのため、花粉症の人が特定の果物や生野菜を摂取すると、花粉に対して生成されたIgE抗体が反応する可能性があるのです。
花粉食物アレルギー症候群とも呼ばれることもあり、花粉症の人は特に注意したいアレルギー反応といえるでしょう。
花粉症の人が食べてはいけないもの6選
花粉症の人が注意したい口腔アレルギー症候群。
では、具体的にどのような食べ物を食べるとアレルギー反応が起きる可能性があるのでしょうか。
こちらでは、花粉症の人が食べてはいけないものを紹介します。
トマト
スギ花粉症の人が食べてはいけないのがトマト。
トマトとスギ花粉に含まれるタンパク質の構造が似ており、トマトを摂取するとアレルギー症状を発症する危険性があります。
スギ花粉のピークは3〜5月なので、この時期に花粉症が悪化する人は、トマトを食べるのは控えたほうがいいでしょう。
メロン・スイカ
ブタクサやカモガヤなどイネ科植物の花粉で症状が出る人は、メロンやスイカなどウリ科の食べ物に注意しましょう。
いずれもアレルギー構造が似ており、メロンやスイカを食べると喉がイガイガしたり、口内がピリピリとする場合があります。
ブタクサ花粉症は7〜11月、カモガワ花粉症は4〜10月に花粉飛散のピークを迎えるため、イネ科由来の花粉症に罹患している人は、この時期のウリ科果物は避けるようにしましょう。
リンゴ・桃
ハンノキやシラカバといったカバノキ科植物で症状が起きる人は、リンゴや桃に要注意。
口にかゆみやイガイガ感が生じるだけでなく最悪の場合、蕁麻疹(じんましん)や喘息、アナフィラキシーショックのような症状が引き起こされる場合もあります。
また、ハンノキ花粉症は、豆乳でも同様にアレルギー症状が起きる可能性も。
ハンノキやシラカバの花粉の飛散はスギよりも早く、1月頃から花粉による症状が出る人はリンゴや桃など、バラ科の果物は控えるようにしましょう。
ジャンクフード
毎年花粉アレルギーに悩んでいるなら、ハンバーガーやピザ、カップ麺などのジャンクフードは避けてください。
トランス脂肪酸を多く摂取すると、アレルギー症状を引き起こしやすいとされています。
ジャンクフードのほか、市販のパンやクッキー、ケーキ、揚げ物などにもトランス脂肪酸を多く含んだショートニングやマーガリンが大量に使用されています。
完全に絶つ必要はないですが、ジャンクフードばかり食べている人は頻度を減らしたほうがいいでしょう。
脂身の多い肉
高たんぱく、高脂質な食生活の人はアレルギー症状に悪影響を及ぼすとされています。
アレルギー性鼻炎で悩んでいる人は、腸内の悪玉菌を増やさないために脂身の多い肉やベーコン、ウインナーなどの加工肉はなるべく控えましょう。
また、偏った食事は免疫のバランスを崩し、少量の花粉でも過剰に反応する可能性があります。
脂質の多いお肉を控えるのはもちろん、野菜や炭水化物などバランスよく摂取するようにしましょう。
アルコール
花粉症の人は、アルコールの摂りすぎにも要注意。
アルコールを摂取すると毛細血管が拡張し、鼻の粘膜が腫れ、些細な刺激にも敏感になります。
そのため、花粉症の人がアルコールを飲みすぎると、くしゃみや鼻水、鼻づまりなどの症状が強まる可能性があるのです。
さらに、アルコールの分解時にできるアセトアルデヒドは、アレルギー症状を引き起こすヒスタミンの放出を促します。
花粉シーズンはたしなむ程度でお酒を楽しむなど、飲みすぎないよう気を付けてくださいね。
花粉症の緩和に効くとされる栄養素
花粉症とは身体に侵入した花粉に対して、免疫システムが過剰に反応して引き起こる症状。
そのためマスクやメガネ、帽子などで体内に入らないよう花粉対策するほか、免疫システムを整えることも大切です。
では、花粉症の人が摂取したい栄養素にはどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、花粉症の緩和に効くとされる栄養素を紹介します。
ビタミンB
ビタミンB群は疲労回復やダメージ修復の効果を促すため、日常的に摂取しておきたい大切な栄養素。
また、コラーゲンの生成やDNAの合成をサポートする作用もあり、粘膜や肌を保護する効果に期待できます。
過敏になった鼻や喉の粘膜を保護するので、アレルギー性鼻炎の人は積極的に摂取しましょう。
ビタミンD
ビタミンDには免疫調節作用があり、体内に侵入したウイルスや細菌を退治してくれる強い味方。
免疫機能の過剰反応により引き起こる花粉症状も、ビタミンDを摂取することで症状の緩和が期待できます。
青魚や干しシイタケなどの食物から摂取できる栄養素ですが、紫外線を浴びることでもビタミンDを生成できます。
花粉のピーク時に日光浴をすると、花粉が体内に侵入してしまう可能性があるので、比較的穏やかに過ごせる時期に浴びるといいでしょう。
オメガ-3脂肪酸
オメガ-3脂肪酸は中性脂肪を下げる効果や、動脈硬化を防ぐ効果に期待できるとして近年注目されている栄養素。
さらに、炎症を抑えて免疫機能を正常に整える作用があるといわれており、アレルギー症状の緩和に役立ちます。
オメガ-3脂肪酸は、体内で生成されない栄養素のため、日々の食事で積極的に摂取するようにしましょう。
乳酸菌
ヨーグルトや味噌、キムチなどに豊富に含まれている乳酸菌は、腸内環境を整え免疫機能も整えてくれる作用があります。
ただし、一時的に乳酸菌を摂るだけでは症状が緩和しないため、日頃から乳酸菌をとることが大切です。
即効性のあるものではないですが、日常的にできる花粉症対策としてはおすすめな栄養素です。
食物繊維
食物繊維は腸内環境の改善に効果が期待できます。
体内の免疫機能は腸の影響が大きく、腸内環境の改善が免疫機能を整えるのにも役立ちます。
食物繊維には、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類がありますが、どちらもバランスよく取り入れることが重要です。
他の栄養素と合わせてバランスよく摂取しながら、アレルギー症状が起きにくい身体を目指しましょう。
花粉症の人に効くおすすめな食べ物
ビタミンDや食物繊維、乳酸菌など花粉症対策・予防に期待できる栄養素は様々です。
では、花粉症の緩和に期待できる栄養素を含んでいるのは、具体的にどのような食品なのでしょうか。
こちらでは、花粉症の人におすすめな食べ物を紹介します。
ゴボウ・れんこん
ゴボウ・れんこんは食物繊維が豊富で、腸内環境を整えるのにぴったりの食べ物です。
また、れんこんにはポリフェノールの一種であるタンニンが含まれています。
タンニンは体内のIgE抗体の働きを抑制する作用があり、花粉症の緩和にも期待できるでしょう。
花粉症の人は、1日30〜40gを目安にして意識的に摂るようにしてみてください。。
発酵食品
ヨーグルトや味噌、キムチ、納豆などの発酵食品には、乳酸菌が豊富に含まれています。
腸内環境を整え免疫力を整えてくれる効果があるので、毎日の食事に摂り入れましょう。
特に、キムチや漬物などに含まれる植物性乳酸菌は、酸に強く腸まで届きます。
逆にヨーグルトなどの動物性乳酸菌の場合は、胃酸で死滅しやすいので「植物性乳酸菌」との記載があるものを選ぶようにしましょう。
青魚
イワシやサバなどの青魚には免疫機能を正常に維持する、ビタミンB6を豊富に含んでいます。
オメガ-3脂肪酸であるEPAやDHCも多く含んでいるので、アレルギー症状がある人は積極的にとりたい食べ物です。
脂も落とさずに丸ごと食べたほうが、栄養をまるごと摂取できるのでおすすめ。
焼き魚にする際も網で焼くのではなく、フライパンできのこや野菜に脂を吸わせるなど料理法も工夫しましょう。
チョコレート
近年の研究では、チョコレートに含まれるカカオポリフェノールが花粉症対策として効果が期待されています。
カカオポリフェノールは抗酸化作用があるほか、IgE抗体がつくられるのを抑制する効果もあります。
高カカオポリフェノールチョコレートを、1日1カケを数回に分けてこまめにとりましょう。
ただし、チョコレートはカフェインを含んでいるので、就寝前の摂取は控えてくださいね。
きなこ・はちみつ
きなこ・はちみつにはオリゴ糖が豊富に含まれています。
オリゴ糖は、腸内環境を整えてくれる乳酸菌のエサとなるので、単体ではなく乳酸菌と合わせて食べるのがおすすめ。
ヨーグルトにきなこ・はちみつをかけて食べたり、食物繊維が豊富なバナナと一緒に食べたりして腸内環境の改善を促進させましょう。
花粉症の人は食べ物でアレルギー反応がでることも!症状がひどい人は食生活を見直そう
花粉症の人は特定の食べ物を摂取することで、喉や口内にアレルギー反応がでることがあります。
基本的には、軽症で済むケースがほとんどですが、場合によってはアナフィラキシーのような症状が出る場合も。
花粉症の人は、アレルギー症状を引き起こす植物と似た構造をもつ食べ物は避けたほうがいいでしょう。
また、食物繊維や乳酸菌、ビタミンB・Dなど花粉症の緩和に役立つ栄養を意識的に摂り入れて、つらい花粉症を乗り越えましょう。