「血液はサラサラが良い」というのは、周知の事実。
しかし、なぜ血液はサラサラのほうが良いのか、またはどうしたら血液がサラサラになるのかまできちんと説明できる人は多くないかもしれません。
そこでこの記事では、血液をサラサラにする食べ物や、ドロドロの血液を改善する食生活・生活習慣のコツについて解説します。
血液がドロドロになるとどうなる?
ドロドロの血液というのは、中性脂肪や悪玉コレステロールが多い血液ということ。
そのまま放置しておくと、ちょっとした不調から命に関わる危険までさまざまな悪影響を受ける可能性があります。
まずはドロドロの血液がもたらす悪影響をチェックしましょう。
血流が悪くなる
ドロドロの血液がもたらす悪影響としてまず挙げられるのが、血行不良です。
血液がドロドロしていると流れが悪くなり、血液の循環が滞ることで手足など体の末端に古い血液が溜まりやすくなります。
すると手足が冷える・むくむといった症状に加え、冷えが進むことで肩や首などに凝りを感じやすくなったり、顔まわりの血色が悪くなったりします。
さらには免疫力が低下するなど、さまざまな不調を引き起こすことがあります。
血管が老化する
血液がドロドロになり血流が悪くなると、血管の壁に負担がかかります。
これにより血管の壁が傷ついたり厚くなったりすると、血管から弾力が失われた状態、つまり老化が進んだ状態になるため注意が必要です。
血管が老化するとさらに血流が悪くなるだけでなく、血液を流そうと心臓がより強い力を発揮しようとするため、血圧が上がりやすくなるというリスクもあります。
また、栄養や酸素がスムーズに運搬されにくくなるため、疲れやすくなる可能性も高いです。
動脈硬化のリスクが高まる
血管の老化が進み血管が硬くなると「動脈硬化」と言われる状態になります。
動脈硬化の1番の原因と言われているのが「プラーク」と呼ばれるコブです。
ドロドロとした血液に多く含まれる悪玉コレステロールは血管の壁に入り込みやすく、これが白血球と戦った後でコブ(=プラーク)として血管の内側に残り、血管が硬くなります。
また、プラークが壊れると血栓ができ、それにより血管が詰まることもあるため注意が必要です。
血液をサラサラにする食べ物とは?
ドロドロの血液は食べ物や栄養素に気をつけることで、サラサラの血液へと改善できます。
続いては血液をサラサラにするために、積極的に取り入れたい食べ物や栄養素を7つ紹介します。
玉ねぎ
玉ねぎには「アリシン」という成分が豊富に含まれており、コレステロールの上昇や血栓の生成を抑制する効果があります。
また、アリシンは脳や神経系の働きをサポートする「ビタミンB1」と結びつきやすく、ビタミンB1が吸収されやすくなることで血液をサラサラにしたり、血液循環をスムーズにしたりする効果も期待できます。
さらに、動脈硬化を予防する抗酸化作用を持つ成分も豊富に含まれているため、血液・血管を健康な状態にするために欠かせない食材と言えるでしょう。
緑黄色野菜
野菜にはビタミンが豊富に含まれているため全般的におすすめですが、その中でも特におすすめなのが緑黄色野菜です。
かぼちゃやにんじん、ほうれん草などの緑黄色野菜には、抗酸化作用が高いビタミンAやビタミンC・ビタミンEなどが豊富に含まれており、積極的に取り入れることでコレステロールの上昇を抑えて血液をサラサラにします。
それぞれのビタミンは一緒に取り入れるとより効率良く効果を発揮するため、さまざまな緑黄色野菜をバランスよく取り入れると良いでしょう。
果物
野菜と同じように、果物もビタミンが豊富な食べ物です。
果物は野菜よりも生で食べる機会が多く、ビタミンAやビタミンCなどの水溶性のビタミンをより効率よく取り入れられるというメリットがあります。
ビタミンAはバナナ・メロン・スイカ、ビタミンCはオレンジやレモンなどの柑橘類が豊富です。
ビタミンEは果物の中だとアボカドに豊富に含まれていますが、フルーツだけでは補いにくいため、野菜やナッツ類などと合わせて取り入れると良いでしょう。
納豆
納豆のネバネバには、酵素の一種である「ナットウキナーゼ」が豊富に含まれています。
ナットウキナーゼには血栓を溶かす働きがあり、ドロドロの血液をサラサラにするのに効果的です。
ただ、ナットウキナーゼは加熱すると働きが弱まるため、納豆は加熱せずに食べた方が効率良くナットウキナーゼを取り入れられるでしょう。
また、納豆はビタミンEやポリフェノールも豊富であり、血管の老化予防効果も期待できます。
青魚
サバやサンマなどの青魚は「DHA(ドコサヘキサエン酸)」「EPA(エイコサペンタエン酸)」と呼ばれる油が豊富です。
これらは不飽和脂肪酸と呼ばれ、中性脂肪の上昇を抑制したり、血管の弾力性を高めて動脈硬化を抑制したりする作用があることがわかっています。
DHAもEPAも酸化しやすい性質があるため、なるべく新鮮な魚を食べることがおすすめです。
焼き魚やお刺身だけでなく缶詰にも豊富なので、サバ缶等をうまく利用すると良いでしょう。
海藻類
わかめや昆布などの海藻類には、食物繊維が豊富に含まれています。
その中でも水溶性食物繊維の一種である「アルギン酸」が、特に豊富なのがポイント。
アルギン酸はコレステロールの吸収を予防し、余分なコレステロールの排出を助けるため、ドロドロ血液の予防・改善に効果的です。
さらに、アルギン酸にはむくみを予防・解消する効果があるため、血行不良によってむくんだ体をスッキリさせる効果も期待できます。
きのこ類
きのこ類は不溶性食物繊維も水溶性食物繊維も豊富に含まれる食べ物で、コレステロールや血糖値を下げる作用があります。
また、きのこの中でも特に血液をサラサラにすると言われているのが椎茸です。
椎茸のみに含まれる「エリタデニン」という栄養素には、血圧を正常に保ったりコレステロールを下げたりする働きがあることがわかっています。
さらに、椎茸の中でも「干し椎茸」はうまみ成分の一種である「グアニル酸」が豊富で、血栓の生成の予防にも効果的です。
【食生活】サラサラの血液を目指すためのコツ
サラサラの血液を目指すためには、食べ物だけでなく食生活も大切なポイントです。
食材を食べる順番や食べ方に気をつけるだけでもドロドロの血液は改善されやすくなるため、ぜひ参考にしてください。
脂質の摂りすぎに気をつける
脂質を摂りすぎると血液はドロドロになるため、可能な限り控えることが望ましいです。
といっても、全ての脂質が悪なわけではありません。
とりわけ気をつけたいのが、肉やバター・ラードなどに含まれる「飽和脂肪酸」です。
飽和脂肪酸は摂りすぎるとコレステロール値が上昇し、血液がドロドロになることがわかっています。
一方で青魚やナッツ類、植物性の油に含まれる不飽和脂肪酸には血液をサラサラにしたり動脈硬化を予防したりする効果があるため、摂りすぎないように気をつけつつ適度に取り入れましょう。
野菜からたべる
血糖値が急激に上昇すると、中性脂肪が増加することがわかっています。
つまり、血糖値の急上昇を防ぐことは、サラサラな血液を保つことにも効果的です。
血糖値の急上昇を防ぐ方法はいくつかありますが、おすすめなのが野菜から食べること。
野菜に限らず大豆製品や海藻類など、GI値が低いものから食べると血糖値の急激な上昇を防げるため、結果的に血液もサラサラな状態へと近づきます。
時間をかけてゆっくり食べる
早食いも血糖値の急激な上昇を引き起こします。
血糖値の急上昇を防ぎ血液をサラサラに保つためにも、食事はなるべく時間をかけてゆっくり食べましょう。
ポイントは一口一口よく噛んで食べること。
一口30回を目安に噛むように意識すると自然とゆっくり食べることができ、血糖値や中性脂肪の上昇を防げます。
また、よく噛むと満腹中枢が刺激されやすくなるため、食べ過ぎ防止にも効果的です。
【その他】サラサラの血液を目指すためのコツ
ドロドロの血液を改善するコツは、食生活以外の生活習慣にもあります。
食生活の改善と合わせて行うとより効率よくサラサラの血液を目指せますので、こちらも合わせてチェックしてください。
適度に体を動かす
ウォーキングやランニングなどの有酸素運動には、中性脂肪や悪玉コレステロールを減らす効果があります。
継続して行うことで、ドロドロの血液をサラサラにできるでしょう。
また、体を動かすと筋肉に刺激が加わるため、血行促進にも効果的です。
適度な運動習慣を身につけることが理想的ですが、難しい場合は階段を積極的に使う・一駅分歩くなど、日常生活の中で体を動かすことを意識するのでも良いでしょう。
良質な睡眠を心がける
良質な睡眠も、血液をサラサラにする上で大切なポイントです。
血管は寝ている間に分泌される「メラトニン」や「成長ホルモン」によって修復されるため、寝不足が続くと血管が劣化しやすくなります。
また、寝不足によって自律神経が乱れると、ホルモンの影響で血液がドロドロになりやすくなることもわかっています。
寝る時は暑すぎず寒すぎない室温にし、部屋はなるべく暗くして寝るように心がけましょう。
ストレスを溜めすぎないようにする
ストレスはサラサラな血液の天敵です。
ストレスが溜まるとコレステロールが増えて血液がドロドロになったり、活性酸素が増えて血管が劣化しやすくなったりすることがわかっています。
また、白血球の粘着性が高くなり血液の通り道を狭めることもあるため、なるべくストレスを溜め込まないように心がけましょう。
湯船にゆったりとつかる、好きな音楽を聴くなどして、ストレスはこまめに発散しておくことがおすすめです。
血液をサラサラにするためには食べ物が大切!食生活を改善してサラサラの血液を目指そう!
ドロドロの血液には百害あって一利なしです。
健康な身体を維持するためにも、血液に良い食べ物を積極的に取り入れて、血液サラサラの状態を目指しましょう。
まずは3食のうちの1食を意識するだけでも、少しずつ血液・血管は変わり始めます。
また、ドロドロの血液を生み出す原因となる生活習慣を改善することも大切です。
早食いや脂質の多い食事は控え、定期的な運動や良質な睡眠、こまめなストレス解消を心がけてください。