「また不採用…まさか私が何かやらかした?」
転職の面接に落ち、このようにお悩みの看護師もいるのではないでしょうか。
実は、採用担当者が「この人とは一緒に働きたくないな」と感じる看護師には、いくつかの共通点があります。
この記事では「採用したくない」と感じる看護師の具体的な特徴をお伝えします。
不採用が続き、自分に何か原因があるのではないかと悩む看護師は、ぜひ参考にしてください。
採用したくない看護師の5つの特徴
採用担当者が「この人は採用したくない」と感じる看護師の特徴は、以下のとおりです。
- 「主体性がない」「指示待ち」の姿勢が見える
- 「前の職場の不満」ばかり口にする
- コミュニケーション能力に不安がある
- 自己分析不足で志望動機やキャリアプランが明確でない
- TPOをわきまえない言動・身だしなみである
心当たりがないか、これまでの行動を振り返ってみましょう。
「主体性がない」「指示待ち」の姿勢が見える
主体性がない、つまり「言われたことだけをやる」タイプの方は、採用されにくい可能性があります。
看護現場は状況の変化が激しく、自分で判断して動ける力が必要です。
面接では「主体性があるか」を見極めるため、過去の経験や行動に関する質問がよくあります。
以前の職場で直面した課題に対して、どう考えどう行動したか具体的なエピソードが話せないと、主体性に欠けると判断される可能性があります。
具体的には、以下の状況があげられます。
- 「何か質問はありますか?」と聞かれて「特にありません」と答えてしまった
- 業務改善や提案の経験がない
このような状況では「指示されたことしかしないのかな」「自主的に動けないのかな」と懸念されてしまい、採用につながらない可能性があります。
「前の職場の不満」ばかり口にする
「前の職場は残業が多くて…」「人間関係が悪くて…」と、現職(前職)の不満や悪口ばかりを話す看護師は、採用のチャンスを逃しがちです。
採用担当者は、入職後も同じように不満を口にしたり、職場の雰囲気を悪くしたりするのではないかと心配になり採用を見送る可能性があります。
退職理由を聞かれた際に、感情的に前の職場の問題点を羅列するだけでは、他責思考が強いという印象を与えかねません。
退職した理由がネガティブなものであったとしても、そこから何を学び、どう改善しようとしたかといった、前向きな視点で話すことが大切です。
コミュニケーション能力に不安がある
円滑なコミュニケーションは、安全な医療を提供するうえで看護師に欠かせないスキルの一つです。
そのため、面接時のやりとりを通じて「コミュニケーションに不安があるのでは」と感じさせる以下のような状況は、懸念を抱かれる原因になります。
- 面接中に、質問の意図を正確に理解せず的外れな回答をする
- 笑顔がなく表情が硬い
- 早口で聞き取りにくい
- 面接官の目を見て話せない
看護師は患者さんやご家族はもちろん、医師や他職種との連携も日常的に必要です。
そのため、コミュニケーションに課題があると判断されると、不採用につながる可能性があります。
自己分析不足で志望動機やキャリアプランが明確でない
「なぜこの病院を選んだのか」「将来どのような看護師になりたいのか」があいまいだと、入社への熱意が伝わりません。
例として、以下があげられます。
- 志望理由が「給与」「通勤距離」など表面的である
- 病院の理念や取り組みを調べていない
- 自分の強みや弱みを把握していない
- 将来のキャリアについて具体的に考えられていない
こうした状況では、採用担当者に「本当にうちで働きたいのかな?」という疑問を抱かせてしまい、自己分析不足と見なされて採用を見送られる要因となります。
TPOをわきまえない言動・身だしなみである
面接は、第一印象を大きく左右する場です。
社会人としての基本的なマナーや清潔感が欠けていると、たとえどんなに優れたスキルを持っていても、評価は下がってしまいます。
具体例として、以下のような言動や身だしなみは避けたほうがよいでしょう。
- 清潔感のない服装で面接に臨む
- 派手すぎるメイクをしている
- あいさつができない
- 声が小さい
- 遅刻しそうになる
面接の場にふさわしい立ち居振る舞いができないと「入職後も周りに配慮できないのでは」と思われてしまい、採用を見送られることもあります。
「採用したい!」と思わせる看護師になるためにできること
看護師として採用されるためには、スキルや経験だけでなく「一緒に働きたい」と思わせる印象が重要です。
面接の場で好印象を与えるために、今からできる準備と心がけを解説します。
主体性と積極性をアピールする
看護の現場では「自分で考えて動く力」が求められます。
面接の場では、この主体性や積極性をしっかりアピールしましょう。
とくに逆質問の時間は、病院への興味と主体性を示す絶好の機会です。
具体的には、以下のような質問がよいでしょう。
- 「貴院の看護師が、やりがいを感じる瞬間はどんなときですか?」
- 「〇〇の分野に力を入れているとうかがいましたが、具体的にどのような取り組みをされていますか?」
また、これまでの経験で工夫したことや、改善したことを具体例を交えて話せるように準備しておくことが大切です。
常に「自分に何ができるか」を考えながら発言できるよう意識しましょう。
逆質問の具体例や方法をもっと知りたい看護師は、以下の記事が参考になるかもしれません。
あらゆる場面を想定して準備しておくことが、転職成功のカギです。
ポジティブな言葉遣いを心がける
面接では前向きな姿勢を言葉で表現することが、採用担当者に好印象を与えます。
不満や愚痴に聞こえる発言は避け、たとえば転職理由も「より〇〇な環境でスキルアップを目指したいと思い、転職を決めました」といった表現に置き換えましょう。
困難な経験も、そこから何を学び、どう乗り越えたのかを具体的に話すことで、成長意欲や問題解決能力をアピールできます。
円滑なコミュニケーションの練習をする
面接は、自身のコミュニケーション能力を確認する場でもあります。
本番で力を発揮するには、事前の練習が欠かせません。
とくに模擬面接は効果的で、表情や声のトーン、話すスピードなどを客観的に確認できます。
面接官の質問を正確に理解し、簡潔に答える練習も忘れずにおこないましょう。
相手の目を見て話す、適度にうなずく、話をしっかり聞く姿勢を示すなどのコミュニケーションの基本を、日常的に意識するのも有効です。
丁寧で自然なやりとりができるようになれば、自信を持って面接に臨めるようになります。
徹底的な自己分析と企業研究で「選ばれる理由」を明確にする
「この病院で働きたい理由」と「この病院で貢献できること」が明確であれば、採用担当者にとっても採用する理由が見えやすくなります。
まずは、自分がなぜ看護師になったのか、どのような看護師を目指しているのかを振り返り、深掘りしてみましょう。
次に応募先の病院の理念や取り組み、特色を徹底的に調べます。
そのうえで、自分の経験や強みがどのように活かせるかを具体的に伝えられるように準備してください。
自分の価値と病院の求める人材像を結びつけて話すことで、説得力のある自己PRにつながり、採用担当者が「一緒に働きたい」と感じやすくなります。
面接時のマナーと身だしなみを完璧にする
看護師の面接では、第一印象が評価に影響します。
清潔感のある服装や髪型、控えめなメイクを心がけ、社会人としてふさわしい身だしなみで臨みましょう。
入室時のあいさつや座り方、話し方などの言葉遣いや立ち振る舞いも細かな部分にも注意を払います。
また、時間厳守は社会人として基本のマナーです。
面接当日は時間に余裕をもって到着し、落ち着いて行動できるようにしましょう。
不採用が続くのは病院側の事情や外部要因が関係している可能性も
採用側の事情や採用担当者ではどうしようもない要因が関係して、不採用となる場合も少なくありません。
どれだけ面接で好印象を与えていても結果に結びつかないこともあるため、不採用の結果だけで過度に自信を失わないことが大切です。
ここでは、看護師の素質以外に考えられる原因を解説します。
人気の病院や部署で採用倍率が高い
同じ看護師でも、就職先によって採用倍率が高く、そもそも採用されにくい環境であることが考えられます。
日本看護協会の「ナースセンター登録データに基づく看護職の求職・求人・就職に関する分析」によると、以下の場所は採用倍率が高い傾向にあります。
- 入院設備のないクリニック
- デイサービス・デイケア
- 保育所・幼稚園
素晴らしいスキルや経験を持っていても、採用枠に対して応募者が多いことが要因で見送られてしまうケースは珍しくありません。
応募先の病院が求めている人物像とズレがあった
「今回は経験豊富なベテランが欲しい」「若手を育成していきたい」など、その時々で病院側が求める明確な人材像があります。
高いスキルや豊富な経験があっても、単純に今回の募集枠のニーズと合わなかったということもありえます。
募集人数が急遽減った、募集が締め切られた
病院の経営状況の変化や人員配置の見直しによって、採用活動中に急遽採用人数が減ったり、募集自体が中止になったりすることがあります。
こうした内部事情は、応募者側には知らされないまま選考が進むことが多いため、不採用となっても自身に原因があるとは限りません。
採用したくない看護師に関するよくある質問
採用されにくい看護師の特徴や転職活動での疑問について、よくある質問にお答えします。
採用のチャンスをつかむためにも、さまざまな場面を想定して対策しておきましょう。
年齢が高いほど転職に不利になりますか?
一般的に転職に不利になる年齢はありません。
就職活動においては年齢よりも強みを明確にすることが重要です。
看護師が転職する場合、これまでの看護経験やスキルが豊富であるという大きな強みがあります。
経験が長いとしても特定のやり方に固執せず、新しい環境に適応できる柔軟性があることをアピールすることが大切です。
また、リーダーシップ経験や後輩指導経験があれば、積極的に伝えるとよいでしょう。
面接で「前の職場を辞めた理由」を聞かれたら、どう答えるべきですか?
たとえ人間関係や給与に不満があって退職したとしても「〇〇の経験を積みたかった」「〇〇の分野に挑戦したかった」など、前向きな言葉に言い換えて答えましょう。
ネガティブな理由をそのまま伝えるのは避け、自身の成長意欲や応募先の病院で実現したいことと結びつけて説明することが大切です。
改善策を提示したり、キャリアアップやスキルアップなど、前向きな理由に転換して話したりすることが採用の確率を高めます。
自己分析って具体的に何をすればいいですか?
自身のこれまでの看護経験を棚卸しし、以下に着目して具体的に書き出してみましょう。
- 何にやりがいを感じたか
- どんな時に喜びを感じたか
- どんなスキルを身につけたか
- どんな困難を乗り越えたか
自分の強みや弱み、価値観を明確にすることで、応募先の病院と自分とのマッチング度合いを確認できます。
自己分析については、以下の記事で詳しく紹介しているので、ぜひご活用ください。

正直なところ「どこでもいい」という気持ちがあります。それでも大丈夫でしょうか?
その気持ちを抱くこと自体は問題ありませんが、面接で採用担当者にその思いが伝わってしまうと、熱意がない印象を与えかねません。
志望先の理念や医療体制などを事前に調べ「なぜここで働きたいのか」を明確にしておきましょう。
意欲や関心が伝われば、前向きな評価につながります。
看護師の転職で失敗しないために気をつけることはありますか?
看護師が転職を成功させるために、以下の点を意識しましょう。
おさえるべきポイント | 具体例 |
情報収集の徹底 | 病院の口コミ、離職率、残業時間などを調べる |
自己分析の深掘り | 本当にやりたい看護は何か深堀りする |
複数の選択肢を持つこと | 一つの病院に固執せず訪問看護や介護施設など病院以外への転職先も視野に入れる |
看護師転職サイト・転職エージェントの活用 | 非公開求人や内部情報を知り、面接対策のサポートを受け採用確率を高める |
事前の準備を怠ると、採用側に「この人は入職後もミスマッチを起こしやすい」と判断され、採用したくない看護師と思われてしまう可能性があります。
上記を参考に、対策を徹底しましょう。
採用したくない看護師から「選ばれる看護師」へ!できることを徹底して転職を成功させよう
採用に至らない理由は、看護師個人のスキルや経験だけでなく、病院側の事情やタイミングといった外部要因が関係していることもあります。
とはいえ、転職を成功させるためには、自分で改善・工夫できるポイントにしっかり取り組むことが重要です。
自己分析を深め志望動機を明確にし、情報収集や対策を怠らない姿勢は、採用担当者に「一緒に働きたい」と思わせる大きなアピールになります。
「採用したくない看護師」にならないためにも、今できることを着実に積み重ね「選ばれる看護師」として新しい一歩を踏み出しましょう。