看護師転職でも給料交渉は可能!タイミングと給料アップのコツを解説

理想の転職先が見つかっても「もしかしたら給料が安くなるかも」と不安を感じている看護師もいらっしゃるでしょう。

「看護師でも給料交渉できるの?」と不安に思っているかもしれません。

結論から言うと、看護師でも給料交渉は可能です。

そして、正しい知識と準備があれば、年収アップを叶えるチャンスは十分にあります。

この記事を読んで給料交渉の具体的な方法を知って、漠然とした不安を軽減していきましょう。

看護師の転職でも給料交渉は可能!その背景を解説

看護師の転職でも、給料交渉は可能です。

その理由として、看護現場の以下のような背景が関係しています。

  • 看護師不足の深刻化
  • 専門性の多様化と評価
  • 給与形態の柔軟性

医療現場では常に看護師不足が叫ばれており、とくに経験豊富な看護師は引く手あまたです。

専門看護師や認定看護師、特定行為研修を修了した看護師は、専門性の高さから医療機関での役割も広がりやすく、現場でも重宝される傾向があります。

そのスキルや専門性が評価され、給与にも反映されやすいでしょう。

また、看護師の給料は基本給だけでなく、各種手当で調整の余地があることが特徴です。

こうしたことから、給料交渉の幅が広がっているため、看護師の転職における交渉は可能となります。

もちろん、すべてのケースで交渉が成功するわけではありません。
経験やスキルなど、自身の「市場価値」と給料が見合っているのか見極めることが大切です。

看護師が転職で給料交渉を成功させるコツ

看護師の転職で給料交渉を成功させるコツは、以下のとおりです。

  • 応募先の給与水準や昇給制度を調べる
  • 看護業界全体の給与相場を把握する
  • 交渉前に「自己分析」を徹底し市場価値を言語化する
  • 希望年収に幅をもたせて根拠を提示する
  • NGワードとNG行動を避ける
  • プロのサポートを受ける

納得できる給与条件を得るために、事前の準備を万全にしておきましょう。

応募先の給与水準や昇給制度を調べる

まずは転職候補先の給与水準や昇給制度の情報を集めましょう

とくに、以下の点は重点的にチェックします。

  • 求人票の給与幅
  • 昇給モデル
  • 福利厚生、各種手当
  • ボーナス

病院によっては、これまでの経験年数を加味して給与設定してくれるところもあり、大幅な給料の変化がない場合もあります。

そのため、転職によって極端に給与が上下するとは限りません。

可能であれば、口コミサイトやSNSなどで実際に働いたことのある人の声をチェックすると、より具体的なイメージが得られます。

ただし、個人の投稿には主観が含まれるため、参考程度にとどめましょう。

看護業界全体の給与相場を把握する

看護師の給与は、経験年数や働く地域、職場の種類などによって大きく異なります

あらかじめ業界全体の相場を把握しておくことが、無理のない交渉につながります。

たとえば、厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、看護師の経験年数別の平均年収は以下のとおりです。

経験年数平均年収
0年334万2,200円
1年~4年438万400円
5年~9年448万4,400円
10年~14年483万5,700円
15年以上527万6,300円

参考:令和6年賃金構造基本統計調査|厚生労働省

この金額に夜勤手当や住宅手当などが加わる形で、手当の額は病院や施設によって異なります。

たとえば、経験3年の看護師が10年以上の平均年収を希望すると、採用担当者に違和感を与える恐れがあります

自分の立ち位置を客観的に理解し、説得力のある交渉をしましょう。

交渉前に「自己分析」を徹底し市場価値を言語化する

給与条件について話し合うときには「なぜ自分にその条件がふさわしいのか」を具体的に伝えることが大切です。

以下を参考に、これまでの経験やスキルを整理し、自分の強みをしっかりと言葉にしておきましょう。

整理する内容伝え方の例
これまでの経験「小児科での経験が〇年あり、プレパレーションや発達段階に応じたケアの知識があります」
保有スキル「BLS/ACLSプロバイダー資格を保有しており、緊急対応に自信があります」
資格、研修「集中ケア認定看護師の資格を活かし、より高度なケアを提供できます」
エピソードを交えた実績「患者満足度アンケートで継続的に高評価を継続して得ています」
自身の強み「チーム医療を大切にし、円滑なコミュニケーションを心がけています」

特別な資格がない場合でも、「どんな姿勢で患者さんに接してきたか」「どんな努力を重ねてきたか」は大切なアピールポイントです。

「自分には特別な経歴がない」と感じる看護師も、自分らしい看護のスタイルや得意なことを見つめ直し、自信をもって伝えてみましょう。

希望年収に幅をもたせて根拠を提示する

希望年収を伝えるときは、「〇〇万円」と一点に絞らず、幅をもたせておくのがポイントです。

たとえば、以下のように伝えるとよいでしょう。

「前職の年収が〇〇万円であり、救急外来での〇年の経験が貴院でも活かせると考えております。そのため、年収〇〇万〜〇〇万円を希望いたします」

職場によっては手当や賞与の調整も可能なため、自分の経験やスキルをもとに柔軟に伝えられるよう準備しましょう。

NGワードとNG行動を避ける

交渉の際に、以下のような相手に不快感を与えたり、悪印象を与えたりする言動は絶対に避けましょう

  • 「これ以上は無理なら辞退します」といった強気な態度
  • 「ほかの病院ではもっともらえると言われました」という他の病院との比較
  • 「納得できないので上げてほしいです」といったあいまいで感情的な要求

こうした言動を避けつつ、内定への感謝と「ぜひ貴院(貴施設)で働きたい」という強い入職への意欲を伝えます。

このポジティブな姿勢が、交渉を円滑に進めるうえで不可欠です。

プロのサポートを受ける

「給料交渉する勇気がない」

このように感じるなら、看護師専門の転職エージェントを活用するのも一つの方法です。

  • 給料交渉を代行してくれる
  • 給料相場に詳しいアドバイスが受けられる
  • 条件のすり合わせがスムーズになる

一人で抱え込まず、プロの力を借りることで安心して転職活動が進められます。

看護師が転職で給料交渉をおこなうべきタイミング、NGなタイミング

給料交渉には「適切なタイミング」があります。

タイミングを誤ると、希望が通りづらくなるだけでなく、印象を損ねてしまうかもしれません。

ここでは、給料交渉に最適なタイミングと避けたほうがよいタイミングを解説します。

給料交渉は「雇用契約書にサインする前」がベスト

給料交渉のもっとも適切なタイミングは、内定が出て「雇用契約書にサインする前」です。

この時点で採用側は入職を前提にしているため、多少の条件調整には柔軟に対応してもらえる可能性があります。

一方で、雇用契約書にサインしてしまうと条件に同意したとみなされるため、交渉は非常に困難になります。

給料の希望や条件の確認は、かならず契約を結ぶ前におこないましょう。

給料交渉NGなタイミング

給料交渉が難しいタイミングは、以下のとおりです。

  • 面接時や選考の途中段階
  • 応募前やエントリー時

これらの場面で給与面ばかりを前面に出すと「条件だけを重視しているのではないか」「お金が第一優先なのかも」といった印象を与えかねません。

まずは、これまでの経験やスキルをしっかりアピールし「この人と一緒に働きたい」と思ってもらうことが先決です。

看護師の転職で給料交渉が難しいケース

医療機関の規模や地域、経験分野などによって給料交渉が難しいケースがあるため注意が必要です。

詳しく見ていきましょう。

規模の小さいクリニックや訪問看護ステーション

小規模な医療機関は予算が限られていることが多く、給与規定が厳しい場合があるため、給料交渉に応じてもらいにくい傾向があります。

訪問看護ステーションも同様で、個人経営や小規模会社が運営する場合はとくに予算の制約が大きいでしょう。

規模の大きな病院が運営している訪問看護ステーションでも、病院の給与規定に準じているため、個別の給料交渉は難しいかもしれません。

給与規定が明確で固定されている病院

公立病院や大学病院などの大規模で組織体系がしっかりしている病院では、給与規定が厳格に定められています。

個別の交渉は難しく、ほとんどの場合は規定通りの給与が支払われます

未経験分野への転職

専門外の分野や未経験の領域に転職する場合、スキルが即戦力として評価されにくく、給料交渉は難しい傾向です。

この場合、給与交渉よりも経験を積むことを優先するほうがよいかもしれません。

地域による差

地方や看護師の供給過多地域は都市部に比べ給与水準が低い傾向にあり、交渉も難しくなります。

たとえば、東京都は568万9,100円であるのに対し鹿児島は426万9,100円で、142万の差があります。

同じ県内でも、都市部と地方で給与差があり、地域の相場を事前に把握することが重要です。

参考:令和6年賃金構造基本統計調査千葉~愛知|政府統計の総合窓口
参考:令和6年賃金構造基本統計調査徳島~沖縄|政府統計の総合窓口

看護師が転職時におこなう給料交渉についてよくある質問

看護師の転職における給料交渉について、よくある質問にお答えします

不安や疑問を解消して、給料交渉を成功させましょう。

給料交渉で希望額に届かなかったらどうすればいいですか?

希望額に届かなかった場合でも、すぐに諦める必要はありません

以下の点を再確認してみましょう。

  • 再交渉の余地を探る
  • 妥協点を見つける
  • 辞退も選択肢に入れる

たとえば「年収420万円を希望していたが400万円で提示された」という場合、業務内容の見直しや半年後の昇給を条件に交渉する方法もあります。

希望額に届かない場合でも冷静に条件を整理し、納得できる着地点を探ることが大切です。

給料交渉が原因で内定取り消しになることはありませんか?

建設的な給料交渉が原因で内定取り消しになることは、基本的にはまれです。

病院側も内定を出すまでに時間とコストをかけているため、丁寧かつ合理的な交渉であれば、むしろ入職意欲が高いと評価されることもあります。

ただし、高圧的な態度や非常識な要求、何度も執拗に交渉するような姿勢はマイナス評価につながり、内定を取り消される可能性も否定できません。

あくまで、互いの歩み寄りを目的とした交渉であることを忘れずに臨みましょう。

給料交渉する勇気がない、自信がない場合はどうすればいいですか?

看護師専門の転職エージェントの活用を強くおすすめします。

エージェントは、看護師の代わりに給与体系や交渉実績を踏まえて適切な対応をしてくれるため、自分で交渉するストレスを感じずに済みます。

また、第三者の視点からアドバイスをもらえるので、安心して転職活動を進められるでしょう。

給料交渉は納得のいく看護師転職への第一歩!理想の年収アップを実現しよう

看護師として転職する際、給料交渉は遠慮すべきものではなく、自分の価値を適切に伝えるための大切なステップです。

事前の準備やタイミングを見極めることで、希望に近い条件を引き出すことも可能です。

交渉は「わがまま」ではなく、よりよい働き方を実現するための一歩となります。

自分のキャリアや生活を守るためにも、前向きに交渉を検討しましょう。

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