インフルエンザに感染した際には、適切な食事と栄養補給が回復を早める鍵となります。
消化に優れた食事や免疫をサポートする栄養素を意識的に摂ることで、体力を効率よく補い、症状の緩和に役立ちます。
この記事では、感染中に役立つ食べ物や、早期回復を促す栄養素を詳しく解説します。
罹患してしまった際は、ぜひ参考にしてください。
インフルエンザに感染したときにおすすめの食べ物は?
インフルエンザにかかると、高熱やのどの痛みで食事が摂りづらくなることがあるでしょう。
しかし、回復を早めるためにも食事はできる限り摂るのがおすすめです。
ここでは、状況に応じたおすすめの食べ物を紹介します。
高熱時におすすめの食べ物
- 野菜スープ
- おかゆ(卵やしらすのトッピングもおすすめ)
- ゼリー飲料
- りんごのすりおろし
高熱時はエネルギーが消耗しやすいため、胃腸に優しく栄養価が高い食べ物が必要です。
スープやおかゆは水分も同時に摂取でき、のどを通りやすいのがおすすめポイント。
できれば卵や梅干しなどのトッピングを加えたおかゆで、たんぱく質やミネラルも補給できると理想的です。
温かい食事は体を内側から温め、回復を後押ししてくれますよ。
消化の良い食べ物
- おかゆ
- 煮込みうどん
- 鶏むね肉
- 白身魚
- 柔らかく煮込んだ野菜(にんじん、大根、白菜など)
- バナナ
消化の良い食べ物は、胃腸に負担をかけず栄養を効率的に吸収できます。
とくに、野菜やたんぱく質は免疫機能をサポートするので、回復を早めるためにも積極的に摂取しましょう。
温かく調理した消化のいい料理は、発熱で汗をかいた体を冷やさない効果も期待できます。
飲み込みづらい場合の食べ物
- ゼリー
- プリン
- すりおろしたりんご
- 果物ゼリー
- ヨーグルト
- ポタージュスープ
咳をはじめ、のどの痛みや腫れで飲み込みが難しいときは、柔らかく口当たりのいい食べ物を選びましょう。
上記の食品は簡単に準備できるうえ、滑らかでのどへの負担が少なく、栄養補給にも役立ちます。
とくにポタージュスープは温かさでのどを和らげる効果も期待でき、果物ゼリーやすりおろしりんごは、水分とビタミンを同時に補えるのがポイントです。
脱水症状を防ぐ食べ物
- スープ類
- おかゆ
- 水分を多く含む果物(スイカ、オレンジ、りんごなど)
インフルエンザでは、高熱や発汗で脱水症状が起こりやすいため、適切な水分補給が重要です。
果物やスープから摂る水分はとても大切で、常温や温かい状態で摂れば胃腸への負担を軽減できます。
また、食事が取れない場合には経口補水液を活用し、水分と電解質を効率的に補うことが大切です。
脱水を防ぐことで体力の消耗を最小限に抑え、回復をサポートしましょう。
インフルエンザの時に避けるべき食べ物
インフルエンザの時には、体力回復を妨げる食品や胃腸に負担をかける食べ物を避けることが大切です。
ここでは、注意すべき食べ物について詳しく解説します。
消化の負担を避け、回復をサポートしましょう。
胃腸に負担をかけるもの
- 揚げ物(唐揚げ、天ぷらなど)
- 脂身の多い肉や魚
- 繊維の多い食材(ごぼう、きのこ類など)
- 生野菜や硬い果物
脂っこい食事や繊維質の多い食品は、消化に時間がかかるため胃腸を疲れさせてしまいます。
インフルエンザで弱った体には、これらの食材は大きな負担となるため、できるだけ避けましょう。
食材はなるべく煮込むなど、調理法を工夫し、消化しやすくすることで体への負担を軽減できます。
刺激物やカフェイン飲料
- 辛い食べ物(唐辛子・わさびなど)
- 塩分の多い食品(漬物・インスタント食品)
- カフェインを含む飲料(コーヒー・エナジードリンクなど)
- 酸味が強い果物や飲料(グレープフルーツ・レモンジュースなど)
刺激の強い食べ物や飲み物は胃腸やのどを刺激し、回復を妨げます。
カフェインには利尿作用があり、脱水を悪化させる恐れがあるため注意してください。
優しい味のお茶やスープを摂取し、体に負担をかけないようにしましょう。
甘い食品や加工品
- ケーキや菓子パン
- チョコレートやキャンディ
- ジュースやスポーツドリンクの過剰摂取
- 保存料や添加物が多い加工食品(スナック菓子など)
砂糖を多く含む食品は、血糖値を急上昇させ、免疫力を低下させる可能性があります。
また、加工食品は栄養価が低く、添加物が弱った体に負担をかける場合もあるため注意が必要です。
自然な食べ物を中心に取り入れ、バランスのいい食事を心がけましょう。
子どもがインフルエンザにかかった場合に注意する食べ物
インフルエンザにかかった子どもの食事は、大人同様に胃腸に負担をかける食品や刺激物を避けることが重要です。
具体的には、揚げ物や繊維質の多い食材・酸味が強い果物・辛いものなどがあげられます。
また、食欲がないときに無理に食べさせる必要はありません。
少しでも食べられそうなのであれば、りんごジュースやバニラアイスなど、子どもが食べたいと思えるものを少量用意するのがおすすめです。
水分補給を優先し、食事が取れる状態になってから消化しやすい食べ物を少しずつ与えるよう心がけましょう。
解熱後も数日は脂っこい食品や固形物を控え、胃腸に優しい食事を意識することが大切です。
インフルエンザからの回復を早めるための栄養素と食べ物
インフルエンザから早く回復するためには、適切な栄養素を意識して摂取することが大切です。
ここでは免疫力や体力をサポートする栄養素と、それを含むおすすめの食べ物を紹介します。
免疫細胞を作るタンパク質
タンパク質は体を構成する基本的な栄養素であり、免疫細胞を作る材料となります。
抗体や白血球の生成にも必要で、感染症と戦う力を高めてくれるとともに、弱った筋肉や組織の修復にも役立つため、回復期にはとくに重要です。
さらに、タンパク質不足は体力の低下を招くため、日常的に意識して摂取しておくことも推奨されます。
タンパク質は以下の食べ物に含まれています。
- 鶏むね肉
- 卵
- 白身魚
- 豆腐
免疫力を高めるビタミンC
ビタミンCは免疫細胞を活性化させ、ウイルスへの抵抗力を強化します。
体内の酸化ストレスを軽減し、回復を促進する働きがあるとともに、傷ついた細胞の修復をサポートする作用もあるのです。
とくに感染症からの回復時には、積極的に摂取しましょう。
なおビタミンCは熱に弱いため、生の果物や野菜から摂るのが効果的です。
ビタミンCは以下の食べ物に含まれています。
- ブロッコリー
- パプリカ
- ほうれん草
- いちご
- みかん
粘膜を強化するビタミンA
ビタミンAは皮膚や粘膜を正常に保つ役割があり、ウイルスが体内に侵入するのを防ぎます。
とくに呼吸器の粘膜を強化し、感染症から体を守るのに役立つのです。
目や皮膚の健康維持にも効果があり、全体の体調を整える栄養素なので、日頃から取り入れておくとよりいいでしょう。
ビタミンAは動物性食品だけでなく、緑黄色野菜からも摂取できます。
ビタミンAは以下の食べ物に含まれています。
- にんじん
- ほうれん草
- 春菊
- うなぎ
- 卵黄
免疫反応を調節するビタミンD
ビタミンDは、免疫機能を調節する重要な役割を果たします。
過剰な免疫反応を抑えつつ、必要な免疫反応を促すため感染症の回復をサポートしてくれるのです。
さらに骨の健康維持にも役立ち、体全体の免疫力向上に欠かせません。
日光を浴びることで体内でも生成されるため、体が回復してきたらカーテンをあけるなどして、適度な日光浴も効果的です。
ビタミンDは以下の食べ物に含まれています。
- さけ
- しらす
- 鶏もも肉
- 卵
- 干ししいたけ
腸内環境を整える発酵食品
腸は免疫細胞の多くが存在する場所であり、腸内環境を整えることは免疫力の向上につながります。
発酵食品は善玉菌を増やし、腸の健康をサポートする優秀な食材です。
免疫機能を調整するだけでなく、消化吸収を助ける効果も期待できるでしょう。
さらに、腸内環境が整うことで体内の炎症を抑え、全身の回復サポートにも役立つのです。
発酵食品には以下の食べ物があげられます。
- ヨーグルト
- 納豆
- 味噌
- 甘酒
日常でできるインフルエンザ予防
インフルエンザを防ぐには、日常生活の中での小さな工夫が重要です。
ここでは、手軽に実践できる感染予防策を詳しく解説します。
日頃から意識して、とくに流行期はかからないように注意して過ごしましょう。
インフルエンザワクチンの接種
インフルエンザワクチンは、感染リスクを完全に防ぐものではありませんが、発症を抑えたり重症化を防いだりする効果が期待できます。
とくに高齢者や乳幼児、基礎疾患のある方には積極的な接種がおすすめです。
ワクチンは接種後約2週間で効果を発揮し、約3か月間持続します。
そのため、流行期が始まる前の10月〜11月に予防接種を受けるのが理想的です。
免疫力を高めるバランスの良い食事
免疫力を維持するためには、栄養バランスの取れた食事が不可欠です。
とくに、たんぱく質は免疫細胞の材料となり、ビタミンC・Aは粘膜を強化して感染を防ぎます。
また偏った食事は免疫力を低下させるため、日頃からさまざまな食品をバランスよく取り入れることが重要です。
日々の食事で、免疫力の向上を意識していきましょう。
なお、十分な睡眠や適度な運動と併せて実践すると、より免疫力を上げるのに効果的です。
マスクの正しい着用と手洗いの習慣化
感染症対策の基本となるマスクは不織布を選び、鼻や口をしっかり覆い、すき間を作らないよう正しく着用しましょう。
手洗いは、外出後や食事前後に必ずおこない、石鹸を使って20秒以上丁寧に洗ってください。
爪の間や指の間なども忘れずに洗い、流水でしっかりすすぐこともポイントです。
基本的な感染対策を徹底することで、インフルエンザだけでなく他の感染症のリスクも軽減できます。
部屋の換気や湿度管理
冬場は空気が乾燥しやすく、ウイルスが繁殖し感染力の増す時期です。
部屋の換気を定期的におこない、新鮮な空気を取り入れるようにしましょう。
湿度は50%〜60%程度を維持するのが理想的です。
適切な湿度を保つことは、鼻や喉の粘膜を潤しウイルスの侵入を防ぐことにつながります。
さらに、室温は20℃〜25℃に保って体温を一定にし、免疫力を維持することも大切です。
インフルエンザに感染したら効果的な食べ物とケアで回復を早めよう!
インフルエンザに感染したときは、適切な食事とケアが体の回復を促します。
消化のいい温かい食事や十分な水分補給で体力を補い、免疫力を高めましょう。
また、胃腸への負担を避けながら、たんぱく質やビタミンなど必要な栄養素をバランスよく摂ることが重要です。
さらに安静を保ちつつ、体を温める工夫も取り入れることで、体の回復力を最大限に引き出せます。
正しいケアを意識して、無理なく早期の回復を目指してください。