「日勤のみで働ければ、生活がもっと安定するのに…」と考えながらも「日勤のみはきつい」と聞いて不安を感じていませんか?
家族や友人とのすれ違いが起きたり、生活のリズムが乱れて体調を崩したりすると、働き方を見直したいと考える方も多いです。
日勤のみで働くのは確かに大変な面もありますが、メリットも多くあります。
この記事では、日勤のみの看護師が抱える負担やきつさの理由、メリット、気になる年収についてもくわしく解説します。
日勤だけでも負担が少ない職場や、理想の働き方ができる求人の探し方も紹介するので「無理なく働きたい」と思っている方は、ぜひ参考にしてください。
看護師が「日勤のみはつらい」と感じる5つの理由
日勤のみで働く看護師がつらいと感じる理由は、以下の5つです。
- 業務量が多い
- 夜勤手当がなく給料が下がる
- 人間関係が複雑になりやすい
- 希望の休みが取りづらい
- スキルアップが難しい
日勤で働く看護師の実態について解説します。
業務量が多い
日勤は夜勤と比較して業務量が多い傾向です。
たとえば、以下の業務はおもに日勤中におこなわれます。
- 清潔ケア
- 退院対応
- 医師の診察補助
- 検査や手術の対応
- リハビリのサポート
これらの合間に、記録業務や投薬などもすると業務量が多くなりがちです。
そのため、夜勤よりも業務が集中しやすく、体力的・精神的な負担が大きくなりやすい傾向です。
夜勤手当がなく給料が下がる
日勤のみで働く看護師は、夜勤手当がない分、給料が下がる傾向です。
夜勤手当は、看護師の給料の多くを占めています。
日本看護協会の「2023年病院看護実態調査報告書」によると、1回あたりの平均夜勤手当は以下のとおりです。
夜勤形態 | 平均夜勤手当(1回) | 平均夜勤回数 | 1ヵ月あたりの夜勤手当 |
---|---|---|---|
三交代制・準夜勤 | 4,234円 | 7.5回 | 3万1,755円 |
三交代制・深夜勤 | 5,199円 | 3万8,992円 | |
二交代制 | 1万1,368円 | 4.9回 | 5万5,703円 |
月に約3万1,755円〜約5万5,703円の夜勤手当が支給されており、年間で35万円以上の差が生まれることになります。
このように、業務量が多くなりがちであるのに給料が減るため「つらい」と感じる看護師もいるのです。
人間関係が複雑になりやすい
日勤のみで働くと、職種に関係なくさまざまなメンバーと働くことになり、人間関係が複雑になることがあります。
役割の違う職種とのかかわりが増えることでストレスが大きくなり、「つらい」と感じる傾向です。
希望の休みが取りづらい
日勤勤務の場合、夜勤がないため平日に休みを取るのが難しいことがあります。
とくに病棟勤務では、平日の日中に看護師が多く必要とされるため、希望を出してもかならず休めるわけではありません。
クリニックや訪問看護のような日勤専門の職場でも、休業日が決まっているため、休みを取るには事前に調整が必要です。
スキルアップが難しい
もともと夜勤がない施設では、最先端の医療技術や手技を学ぶチャンスが少なくなりがちです。
たとえば、健診センターやクリニックではルーティンワークが中心となり、大がかりな医療機器を扱う機会は限られます。
スキルアップを目指すなら業務内容をしっかり確認し、自分に合った職場を選ぶことが大切です。
看護師が日勤のみで働くのはきついだけじゃない!3つのメリットとは
日勤のみの看護師はきついと言われがちですが、デメリットばかりではありません。
ここでは、日勤で働く看護師のメリットを解説します。
友人や家族と予定を合わせやすい
夜勤があると、休日が不規則で予定を合わせにくくなります。
しかし、日勤だけなら土日や夕方以降の時間を使って、友人や家族と過ごす時間を確保できます。
とくに子育て中の方や、パートナーと時間を合わせたい方には、大きいメリットとなるでしょう。
ただし、施設によっては土曜日に稼働する場合もあるため、転職前に休日を確かめておくことをおすすめします。
生活リズムが一定になり健康的な生活が送れる
日勤だけの勤務であれば、生活のリズムを整えやすく健康的な生活が送れます。
食事や運動の時間も確保しやすくなり、健康を維持できることがメリットです。
夜勤があると昼夜逆転しがちで、睡眠が不十分になることも珍しくありません。
不規則な勤務で体調を崩しやすい方にとって、日勤のみの働き方は魅力が大きいでしょう。
体力的・精神的な負担が少ない
夜勤を含むシフトでは、月間の出勤日数が少なくなることが多いものの、1日に働く時間が長いため体力的には大きな負担がかかります。
そのため、夜勤よりも日勤のほうが勤務時間が短く、体力的な負担が少ないと言えます。
また、夜勤ならではの不規則な生活や急な対応が、精神的なストレスを増やすことも少なくありません。
「規則正しい勤務をしたい」「長時間働くのはきつい」と感じる看護師には、日勤のみの働き方が向いているでしょう。
看護師が日勤のみで負担なく働ける職場5選
病棟勤務で日勤のみを希望すると、周りの視線が気になる場合もあります。
そんなときは、はじめから「日勤のみ」で働ける職場を選ぶとよいでしょう。
1つずつ解説します。
1.一般企業
一般企業で働く看護師は「産業看護師」とよばれ、おもに従業員の健康管理をおこないます。
産業看護師の業務は、健康診断の実施や健康相談、ケガの応急処置が中心です。
多くが予定された仕事であるため、残業がほぼありません。
また、暦どおりの休みになることから、夏休みや年末年始などの長期休みがとりやすい傾向です。
ただし、かならずしも全ての一般企業に産業看護師が配置されているわけではありません。
配置していても採用人数が少ないことが一般的であるため、求人数が少なく転職しにくいのがデメリットと言えるでしょう。
2.病院の外来
病院の外来は、基本的に日勤のみの勤務で、おもな業務は診察補助や処置、患者対応などです。
診療時間が決まっていることから、勤務時間が比較的安定しています。
ときには急患の対応が必要だったり、患者数が多かったりする場合もありますが、予定に沿って業務が進められるため、残業も少ない傾向です。
3.クリニック
クリニックのうち入院施設がないところでは、日勤のみで働くことになります。
業務内容は病院の外来と大きく変わりありません。
最近では完全予約制を採用しているところもあり、残業がほとんどなく働きやすい環境がととのっています。
4.訪問看護ステーション
訪問看護ステーションで働く看護師は、利用者さんの自宅に出向いて必要なケアをおこないます。
訪問看護師の仕事内容は、医療処置や健康管理が中心です。
入院患者さんほどの重症な方は少なく、業務はスケジュールどおりに進むことがほとんどです。
ただし、全国の8割の訪問看護ステーションで24時間対応のできる「オンコール体制」を設けています。
予定の出勤はないものの、専用の電話を持ち歩かなければならないため、いつ呼び出しがあるかわからない状態で過ごすことに負担を感じる方も。
実際の稼働はステーションごとに異なるため、訪問看護ステーションへの転職を検討している方は、あらかじめオンコールの対応状況を聞いておきましょう。
5.デイサービスやデイケアなどの通所介護施設
デイサービスやデイケアは比較的元気な高齢者が通う施設であり、健康チェックや服薬管理などがおもな業務内容です。
緊急対応や残業がほとんどないため、身体的・精神的な負担が少なく働けます。
一方で医療行為をする機会が非常に限られるため、スキルアップが難しい点がデメリットと言えるでしょう。
また、レクリエーションの補助や利用者の生活援助などを求められる場合もあるため、幅広い対応力が必要です。
看護師の日勤のみの求人を探す方法
看護師が日勤のみの仕事を探す方法として、以下があげられます。
- 看護師専門転職サイトを利用する
- ハローワークや自治体の求人情報を活用する
- 病院や施設などのホームページをチェックする
自身に合う方法で、転職先を検討してみましょう。
それぞれ解説します。
看護師専門転職サイトを利用する
看護師転職サイトでは、希望条件に合う求人を効率的に探せます。
「日勤のみ」「土日休み」などの条件を指定して検索できるため、ライフスタイルに合った職場を見つけやすいでしょう。
求人をじっくり探す余裕がない方には、転職エージェントの活用をおすすめします
転職エージェントは、専属のエージェントがつき、非公開求人を紹介してもらえたり、条件に合った求人を探したりしてくれるサービスです。
よりよい条件の転職につながる可能性もあるため、ぜひ利用してみてください。
ハローワークや自治体の求人情報を活用する
地方の医療機関や福祉施設は、ハローワークを通じて求人を出していることも少なくありません。
また、自治体の公式サイトでは、公立病院や保健センターなどの看護師募集が掲載されることも。
この場合は公務員扱いとなることがあり、安定した雇用がのぞめます。
自分の住む地域に密着した施設で働きたい方は、ハローワークや自治体の情報をチェックしてみましょう。
病院や施設などのホームページをチェックする
すでに気になる病院や施設がある場合は、公式ホームページの採用情報を確認してみましょう。
大手の転職サイトに掲載されていないこともあり、地域密着型のクリニックや訪問看護ステーションの求人を見つけやすいメリットがあります。
ホームページには施設の理念やスタッフの紹介が掲載されていることも多く、職場の方向性や雰囲気を知るよいきっかけとなります。
看護師の日勤のみの勤務でよくある質問
日勤のみで働く看護師について、よくある質問にお答えします。
看護師は日勤のみだと平均年収はいくらですか?
「令和5年賃金構造基本統計調査」から算出すると、夜勤のある看護師の平均年収は508万1,700円です。
日勤のみの場合、夜勤手当がない分38万〜66万ほど年収が減り、ボーナスも減額となることが予想されます。
病院以外ではボーナスがない場合も少なくありません。
そのため、一般的な看護師の年収より低くなるのは避けられないでしょう。
看護師は日勤のみだと土日休みになりますか?
訪問看護ステーションや通所介護施設、クリニックの場合は土日祝休みも珍しくありません。
病院でも希望すれば土日休みも可能ですが、病院の方針によって異なります。
看護師の4日勤はつらいですか?
おおよそ3〜4日、日勤が続くと「つらい」と感じ始める看護師が多い傾向です。
日勤のみで働く場合は、どこで働いても数日続くことが多く、とくに総合病院は業務量が多くなりがちで「つらい」と感じる看護師が多い傾向です。
看護師で日勤のみはつらいと感じたら病院以外の転職もあり!ライフスタイルに合う転職先を見つけよう!
日勤のみの勤務は一見安定しているように思えますが、仕事に対する不安やストレスを感じることもあります。
そのようなときは、病院以外の転職先を考えるのも1つの方法です。
看護師の資格を活かした転職先として、訪問看護ステーションやクリニックなどがあげられます。
自分の希望に合った転職先を見つけることで、仕事のやりがいを感じつつ、プライベートとのバランスも取れるはず。
「病棟の日勤のみはきつそう」と感じたら、転職を視野に入れ、よりよいライフスタイルを得られる選択をしましょう。